ジュエリー

「ヴァン クリーフ&アーペル」の名誉と苦労を感じる アイコンという輝き

ジュエリー見聞録

ヴァン クリーフ&アーペル

パリオペラ座の現役エトワール、レオナール・ボラックの名とともに
バレリーナクリップの最新作は、少し小ぶりで使いやすいサイズに。パリオペラ座の現役エトワールの名を冠しています。ルビーとダイヤモンドが織り成す衣装は、「くるみ割り人形」のもの。今にも踊り出しそうな躍動感と可愛らしい表情に満ちて。「レオナール バレリーナ クリップ」(WG×RG×ルビー×ダイヤモンド)2604万円(参考価格)/ヴァン クリーフ&アーペル ●お問い合わせ/ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク TEL:0120-10-1906

80年続くモチーフの色褪せぬ斬新さ

解説/山口 遼(宝石史研究家)

「イコン」という言葉は、普通は絵画とか彫刻の肖像を意味しますが、宝石の世界でいえば、作品を見ただけで、ああ、あのブランドのジュエリーだなと分かる個性を持った作品のことをいいます。グランメゾンと呼ばれる世界的な宝石商には、ほとんどにこのイコン、つまり「アイコン」があります。

今回のジュエリーは、ご説明する必要もないほどに有名な「ヴァン クリーフ&アーペル」のアイコン、バレリーナをデザインしたクリップです。これが最初に発表されたのは、なんと第二次大戦中の1941年頃で、今日までさまざまな作品が数多く揃います。

宝石店にとって、自社のジュエリーとすぐに分かるアイコンを持つことは、大変に名誉なことでありますが、大変に辛いことでもあります。一つの決まったモチーフの中で、数多くのバリエーションを作り続けねばならないからです。

トゥシューズを履いたバレリーナが、チュチュを翻して踊るという基本の形は変わらない。それにいろいろな色の宝石をあしらったり、ポーズを変えてみたり、さまざまに苦労をしながら、時代に応じて“踊る女性”というモチーフを育てているのです。

このブローチは、ルビーとさまざまなカットのダイヤモンドだけを使って、非常に可憐な印象に仕上げています。80年近く経たモチーフでも、これほど斬新かつフレッシュなものを出せる。グランメゾンの力量を感じますね。

撮影/栗本 光

『家庭画報』2021年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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