ジュエリー

名だたるジュエラーにとって「アメシスト」という宝石はどのような存在なのか

2026.01.26

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[連載]アメシストの神秘 紫の復権 古き時代のハイジュエリーにも、アメシストが使われた作品が多くあります。歴史を牽引するジュエラーの、個性溢れるアメシストの作品を探求してみましょう。

連載「アメシストの神秘」前回の記事はこちら>>

vol.8 ハイジュエリーに見るアメシスト

名だたるジュエラーにとって、アメシストという宝石はどのような存在なのでしょうか。

東京で開催された「ブルガリ」の大展覧会『ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧』に携わった、ブルガリヘリテージ キュレーター ディレクターのジスラン・オークレマンヌさんはこう表現します。


「アメシストの鮮やかな紫色は、ジュエリーにひと目で分かる色彩の印象を与えます。1960~70年代以降、アメシストは他のクォーツ種だけでなく、ダイヤモンド、エメラルド、ターコイズと多く組み合わされました。他の宝石とのダイナミックな対話により、大胆かつ壮大なコントラストと調和が生まれ、ジュエリー全体に色彩の革命を引き起こしたのです」

Cartier カルティエ

上左右・ともに写真/Christie’s Image 2025 下・写真/Nils Herrmann, Collection Cartier ©Cartier

上左右・ともに写真/Christie’s Image 2025
下・写真/Nils Herrmann, Collection Cartier ©Cartier


上左・アメシスト×ダイヤモンドのダブルクリップブローチ(1935年頃)。幾何学模様の美しい盾のフォルムが、アールデコを思わせる。上右・1930年代~1950年代頃のレトロ期に流行したソトワール(胸もとを飾る長めのネックレスに大ぶりのペンダントトップ)を、アメシストを主役に。エメラルドカットとバゲットカットのアメシストが印象的。 右・1953年にパリで製作された、全長34センチのネックレス(ゴールド×アメシスト×ターコイズ)。

BVLGARI ブルガリ

写真/すべてブルガリ・ヘリテージ・コレクション

写真/すべてブルガリ・ヘリテージ・コレクション


上・アメシストの紫は色相環において青や赤と隣接する類似色のため、アクアマリンの青やルビーの赤と自然な調和が生まれている。(ゴールド×アメシスト〈上下のダイヤモンドと合わせて9.5ct〉×アクアマリン×ルビー×ダイヤモンド)1989年 下右・エレガントな女性として知られた「レブロン」創業者リン・レブソンの妻が所有していたネックレスとイヤリング。アメシストの紫、エメラルドの緑、ターコイズの青の調和が見事。「ビブ」ネックレス、同ペンダントイヤリング(ゴールド×Pt×エメラルド×アメシスト〈ネックレスは77ct、イヤリングは14.5ct〉×ターコイズ×ダイヤモンド)1968年 リン・レブソン旧蔵 下左・「トゥボガス」ブレスレット(ゴールド×アメシスト〈7ct〉×ルチルクォーツ×ダイヤモンド)1977年頃。

Tiffany & Co. ティファニー

写真左/ The Tiffany Archicves

写真左/ The Tiffany Archicves


「ティファニー」の創業者チャールズ・L・ティファニーの息子、ルイス・コンフォート・ティファニーはアメシストを好んで使ったといわれ、ぶどうをモチーフにした作品が多く残されている。左・大粒のオーバルシェイプのアメシストがぶどうの房を、エナメルがぶどうの葉を表現したネックレス(ゴールド×アメシスト×エナメル、1914~33年頃) 右・1965年にジャン・シュランバージェがデザインしたブランドの象徴的作品の1つ「バード オン ア ロック」のブローチ。クッションカットの大きなアメシスト(15.95ct)の上に、ダイヤモンドとピンクサファイアのバードをセット。1358万5000円/ティファニー(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク)

Van Cleef & Arpels ヴァン クリーフ&アーペル

Van Cleef&Arpels ヘリテージ コレクションより。古代ギリシャの時代から権力を表す色と考えられていたアメシストと、“海の若い娘”を意味するコーラルの大胆な組み合わせは、1960~70年代のヴァン クリーフ&アーペルの作品によく登場した。左・レジーユ ブレスレット2574万円 下・同 クリップ ペンダント1333万2000円(※2個セット販売)/ヴァン クリーフ&アーペル(ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク)

Suzanne BELPERRON シュザンヌ・ベルペロン

写真/Christie’s Image 2025

写真/Christie’s Image 2025


フランスの「シュザンヌ・ベルペロン」は、一部の欧米の蒐集家から熱狂的人気を誇る女流ジュエラー。こちらは2019年秋のクリスティーズNYオークションに出品されたネックレス&バングル(1936年作)。葉の形に彫刻された大粒のアメシストはユニークな存在感。ここにダイヤで表現した葉脈やオーバルとクッションにファセットカットされたルビーが果実のように華を添えます。
さらに本連載の監修者「諏訪貿易」の諏訪恭一会長にも、これらのハイジュエリーについて考察いただきました。

「例えば、ヴァン クリーフ&アーペルの作品には、コーラルとアメシストを組み合わせた、とても印象的な作品があり、それぞれの名ジュエラーが、過去にもアメシストの可能性を模索してきたことがわかります。古代エジプト(約4000年前)から高貴な色の石とされ、古代ギリシャでは酒に酔わないお守りとされたアメシストは、この先も意外なデザインや色の組み合わせで、その可能性を見せてくれるでしょう。それがアメシストの復権につながれば嬉しいですね」

「アメシストの神秘」の記事一覧はこちら>>>

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