ジュエリー見聞録 宝石史研究家・山口 遼さんの解説で、素晴らしいジュエリーとその見どころをお届けします。
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エメラルドの見せ方で表情が変わる絶妙なデザイン
解説/山口 遼(宝飾史研究家)
素晴らしいダイヤモンドを数多く所有し、ダイヤモンドのジュエリーでは世界一といわれる「グラフ」。この新作ネックレス、デザインのポイントはそれを着用している時に、表情が“ちらり”と変わることです。非常に凝った作りで、見る角度によって表情が変わる、それは普通のジュエリーには見られないことです。小さなダイヤモンドを埋め込んだパヴェの線を4本作り、その上部に少し角度をつけて、長方形のエメラルドを一文字に並べてストレートな線を作り、その中間にペアシェイプのダイヤモンドを大きさを少しずつ変えながら、少し浮かせて左右非対称に並べたデザイン、よく考えたと思います。
エメラルドのラインの角度が非常に絶妙で、正面から見る時の角度によって緑の線が見えたり、ペアシェイプのダイヤモンドに隠れたり、現れたりします。写真で見ると直線ではなく、波形に見えたりして、その変化がなんともいえず、実に巧妙です。
グラフの作品は、素晴らしいダイヤモンドをストレートに出すものが多いのですが、このネックレスに限れば、主人公はむしろエメラルド、それも大きな石ではなく、細い線というデリケートな扱い方で、それが見え隠れするというユニークなものです。
デザインとして面白いのは、ネックレスの左右に2つずつ、ダイヤモンドがとび離れてセットされていること。これは着用した時に首の左右の付け根に当たる部分──目立つところにこのダイヤモンドがあることで、デザインを引き締めている。大きな石をドーンと使うことで知られるグラフに、この繊細さは珍しい。思わず見直す名作です。
Graff グラフ
構築的にデザインされた4連のネックレス。大粒のペアシェイプダイヤモンドとバゲットカットのエメラルドに彩られ、眩い輝きを放ちます。ネックレス(WG×エメラルド計21.51ct×ダイヤモンド計87.36ct) イヤリング(WG×エメラルド計0.97ct×ダイヤモンド計16.27ct)(ともに参考商品)/ともにグラフ
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