〔特集〕職人技、石について深く識る もっとジュエリーを愛するために トップジュエラーたちが大切に継承し続ける、伝統の手技。そして、美的価値を高める稀少なジェムストーンへの徹底したこだわり。高度なジュエリーメイキングには、たゆまぬ努力がひそんでいるもの。秘められた舞台裏をのぞき見れば、よりジュエリーに愛着がわくはずです。
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【斬新な素材使いにも注目】
ロッククリスタルのパーツ435個を組み合わせ、職人が一つ一つ手作業で艶消し加工を施している。「The Power of Couture」〈ヌー〉ネックレス(WG×ロッククリスタル×ダイヤモンド)参考商品/ブシュロン(ブシュロン クライアントサービス)
BOUCHERON(ブシュロン)
澄んだ白の美しさが魅力の石[ロッククリスタル]
ロッククリスタルとは、無色透明の水晶のこと。
彫刻に向き、ルネッサンス期にはよくオブジェや聖具の装飾などにあしらわれていましたが、近代ではアール・デコ期に一時的に流行した後、忘れ去られていました。ダイヤモンドや貴石のような素材価値に重きを置く伝統的なジュエリーの世界においては、ロッククリスタルが用いられることは稀でした。
この素材が再びもてはやされるのは1970年代になってから。メゾンの創業者の曾孫にあたるアラン・ブシュロンも、澄んだ水のようなロッククリスタルの美に魅了された一人です。
彼は美術館に収蔵された古い時代のロッククリスタルの芸術作品を目にして心を奪われ、自らデザインしてハイジュエリーに透明なエレメントを組み込んだといいます。
この伝統に倣いつつ、さらに工夫を重ねてデザインに磨きをかけているのは、現在の「ブシュロン」のクリエイティブディレクター、クレール・ショワンヌ。ロッククリスタルの表面にマット加工を施したり、マザーオブパールやダイヤモンドと重ねたり、これまでになく新しいジュエリーの洗練された表現に挑戦しています。
翅の部分にロッククリスタルとマザーオブパールを重ね、角度によってわずかに虹色に変化する光沢感を再現した新作「UNTAMED NATURE」〈ブルドン〉リング(WG×ロッククリスタル×マザーオブパール×オニキス×スティール×ブラックラッカー×ダイヤモンド)4897万2000円(予定価格)/ブシュロン(ブシュロン クライアントサービス)
(次回へ続く。
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