ジュエリー

ショーメを支える「アトリエマスター」の存在。歴代が積み重ねてきた輝きへのこだわり

「ジュエリーの真髄」を知る 第12回(全14回) 美術館や博物館で観るような歴史的な芸術品から、日々を彩る日常使いの輝きまで……。美しいジュエリーには、夢や希望を与え、人々の心を潤す圧倒的な力があります。学び、愛で、そして楽しむ。ジュエリーの真髄を知れば、私たちの人生はもっと心豊かなものになることでしょう。前回の記事はこちら>>

そのハイジュエラーたる理由
Chaumet(ショーメ)── 輝きへのこだわり

ショーメ

技を尽くして繊細に描き出す天空のカラーパレット
「ル シエル ドゥ ショーメ」コレクションより、上・「ソレイユ ドゥ ミニュイ」ブローチ(WG×レッドスピネル×ブルースピネル×クリソベリル×インディゴライトトルマリン×サファイア×ロードライトガーネット×ダイヤモンド)5072万5726円(参考価格) 下・「ソレイユ ドゥ ミニュイ」イヤリング(WG×ブルースピネル×レッドスピネル×クリソベリル×グリーントルマリン×ロードライトガーネット×サファイア×ダイヤモンド)2101万円(参考価格)/ともにショーメ

代々継承された技がプレシャスストーンを一段と美しいものにする

創業者マリ=エティエンヌ・ニトは、王妃マリー・アントワネットお抱えの宝石商のもとで修業し、やがてナポレオン・ボナパルトに引き立てられ、王家に伝わるダイヤモンドをはめ込んだ宝剣を製作します。この宝剣を腰に帯び、ナポレオンは皇帝として戴冠しました。

ニトと彼の息子は、皇帝の公式ジュエラーとして幾多のティアラを製作。なかでも「麦の穂のティアラ」は豊穣の女神を思わせる輝くような神々しさで、宮廷の女性たちの羨望の的に。ティアラはメゾンの代名詞となり、現代も第一人者であり続けています。

麦の穂のティアラ

ローマ神話に登場する豊穣と繁栄の女神、ケレスをイメージした「麦の穂のティアラ」。1811年頃の製作。

このメゾンのユニークなところは、歴代のアトリエマスターが最も優れた職人を次代のアトリエマスターとして指名する、という伝統。現在は13代目が次世代を厳しく育てているところだとか。

皇妃ジョゼフィーヌに ちなみ、ティアラをイ メージした華麗なダイヤモンドリング

ショーメのミューズ、皇妃ジョゼフィーヌにちなみ、ティアラをイメージした華麗なダイヤモンドリング。

天空の光をテーマにしたコレクション「ル シエル ドゥ ショーメ」には、台座を目立たなくして宝石の存在感を際立たせる「フィル・クトー」の技が使われ、デザインの軽やかさを高めています。

台座の構造を目立たせない細工

台座の構造を目立たせない細工でダイヤモンドを宙に浮いているかのように見せるショーメならではの技。

その裏には細かなアジュール(明かりとりの小窓)が。これは宝石により多くの光を取り込むための工夫です。

ブローチの背面

トップ写真のブローチの背面。職人の丁寧な手作業により、アジュールをハニカム状に整えて開けることで見た目の美しさも出しています。

ティアラ、古典主義、自然主義など、独自のスタイルで芸術ともいえるジュエリーの数々を生み出してきた「ショーメ」は、アトリエマスターたちが2世紀半近くにわたって積み重ねてきた輝きへのこだわりを継承しているのです。

デフェルラント ドゥ ショーメ

新作「デフェルラント ドゥ ショーメ」より、波をかたどったティアラ。波しぶきの輝きにも技が駆使されている。

ショーメ本店

ショパンが晩年を過ごした現在の本店。

【1780年創業 創業者:マリ=エティエンヌ・ニト】
●ショーメ本店[Chaumet]
12 place Vendôme, Paris, France
●ショーメ銀座本店
東京都中央区銀座3-5-7 TEL:03(5524)2722

撮影/Fumito Shibasaki〈DONNA〉 スタイリング/阿部美恵 取材・文/本間恵子

『家庭画報』2022年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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