Discovering the True Value of High-End Jewelry 今こそ知りたいハイジュエリーの価値 類いまれな宝石の価値やその芸術性で人々を魅了し、身につける喜びや、時に次代へと継承していくことのできる資産性までも与えてくれる、ハイジュエリー。その価値は、希少性と注目度で決まります。今、手に入れるべき宝石やデザインを、長く宝飾品のオークションに携わるスペシャリストに伺います。
自分にとって確かな喜びとなるジュエリーを
─── クリスティーズ・アジア・パシフィック宝石部門チェアマン
ヴィッキー・セックさん
ここ数年、ジュエリーに対する注目は高まりを続けています。オークションで入札が集中するのは第一に、高品質な宝石。ダイヤモンド、ルビー、ブルーサファイア、エメラルドのプレシャスストーン……いわゆる四大貴石は、変わることなく評価されています。最近は希少性の高いパライバトルマリンやスピネルなども人気を集めています。
オークションに出品されるジュエリーに専門家がつける“エスティメート(落札予想価格)”は、宝石の評価額であり、著名なジュエラーのものであってもノーブランドのものであっても評価は変わりません。
さらに、オークションに参加されるお客様の判断材料となる情報……手がけたジュエラーや年代、持ち主が著名人であったなどが添えられ、オークションでお客様がそこに付加価値を見出すと、落札価格が予想額を大きく上回ることになるのです。
たとえば熟練の職人が何千時間もかけて仕上げた、といった点は専門家からお客様に伝えられますが、評価し高値をつけるのはお客様。同様に人気ブランドの人気コレクションであることも、“欲しい”と感じるお客様の心が生み出す価値なのです。ブランドの歴史や技術、芸術性は世界的に高い信頼を得ていますし、アイコンといわれるコレクションには、それぞれに著名なコレクターがいて市場に出れば流動性が高く付加価値がつきやすい。
一方でハイジュエリーは作られる数が少ないので、常に手に入れたいと考えている人が存在します。ジュエリーの価値は、そんな需要と供給のバランスから生み出されるのです。
ジュエリーは金や株式といった純粋な資産とは異なり、まずはご自身が身につけたいかどうかを基準に選ぶべきと私は考えます。大きな一粒石のジュエリーがよいのかデザイン性の高いアイコニックなブランドジュエリーがよいのかも、あなた次第。最終的にはその方がお好きで長くつけられるものを選ぶことが、その方にとっての価値あるジュエリーとなるのではないでしょうか。
Vickie Sek(ヴィッキー・セック)老舗オークションハウス「Christie’s」に入社以来30年以上にわたり、アジアを中心に宝石部門を牽引。長年の経験と専門知識に裏打ちされたキュレーション力と市場多様性への理解で世界中のコレクターから高い信頼を得る。
右上・近年、需要の高まりとともに価格も高騰しているパライバトルマリン。左下・サファイアはブルーに加えピンクにも注目が集まる。
2026年5月に香港で開催されたクリスティーズのオークションで高い評価を得たカルティエの“トゥッティ フルッティ”のブレスレット。
ヴァン クリーフ&ア―ペルの“バレリーナ”クリップは、世界中にファンが多くアイコンとしての地位を確立しているコレクションの一つ。
この記事の掲載号
『KATEIGAHO JOURNAL(家庭画報 ジャーナル)』
2026年9月5日発行号(非売品/Free)

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