

約5000年もの昔から、古今東西の王族や宗教家、そして一般市民を魅了してきたアメシスト。最大の理由は、高貴な色と称えられる美しい紫色でしょう。しかし、1800年代にブラジルで大量に産出されると価格が急落。さらに、40年ほど前からは合成アメシストが市場に出回るようになり、宝石業者の中には天然石と混同するリスクを恐れて取り扱いを控える者もあり、人々のアメシストに対する関心も薄れていきました。そこで本連載では、アメシストの復権を願い、さまざまな角度から、その魅力を探求し、発信してきました。
vol.1では宝石界の第一人者で本連載の発案者でもある諏訪恭一さんと、東京大学大学院理学系研究科附属植物園の技術専門職員で花菖蒲に詳しい清水淳子さんが対談。アメシストと花菖蒲は、色以外に「人が情熱を持って丁寧に手をかけることで、より美しく価値あるものとなる」点も共通していることが見出されました。
vol.2ではアメシストの原石が宝石となるまでの過程を、vol.3では紀元前に作られたアメシストの指輪などを用いて、宝石のカットスタイルの変遷を、それぞれ詳述。「長く美しい状態を楽しめるという意味で、アメシストにはカボションカットがおすすめ」という諏訪さんの考察もお伝えしました。 vol.2 地球のカケラから価値ある宝石へ──アメシスト誕生からの軌跡 を読む→
vol.3 4000年前から現代へ。宝石のカット、その変遷 を読む→

vol.4では、アメシストを「地球からの預かりもの」と呼ぶ諏訪さんが、紫根(しこん)で染めた絹糸を「自然の命をいただいたもの」と語る染織家の志村洋子さんの工房を訪問。共感に満ちた対談が繰り広げられました。
vol.4 なぜ、人は「紫」という色に惹かれるのか? を読む→
撮影/中村 淳 取材・文/清水千佳子