ジュエリー見聞録 宝石史研究家・山口 遼さんの解説で、素晴らしいジュエリーとその見どころをお届けします。
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一つで幾度も楽しめるジュエリーの真髄
解説/山口 遼(宝飾史研究家)
ジュエリーの中には、姿を変えるものがあります。古くはティアラとして作られたものをネックレスに使うものが有名ですが、このピアジェの新作、指輪としての使い方は同じですが、デザインがガラリと変化するという面白いもの。
中央に大きなトルマリンを据え、その周りにはダイヤモンドとイエローサファイア、エメラルドで草花の取り巻きをつけ、一番大きなイエローダイヤモンドの薔薇をぐるりと回転させると、中央のトルマリン部分がスポリと抜けて一粒の石の指輪に早変わりし、独立した指輪になるというもの。
一つの作品で三度楽しめる、こうしたジュエリーが作られる理由は二つあるようです。
買い手の方からすれば、ジュエリー一つで三通りの使い方があるというのは、いくらお金持ちでも嬉しい。もう一つは作り手、つまり職人が俺はこんな難しいものを作れるんだとばかりに、色々と工夫する、お金持ちというのは鷹揚ですから、そんなものいらんよとはあまり言わない。この指輪がどちらかは分かりませんが、見事なものです。
イヤリングも楽しいですよ。使っている素材は指輪とほぼ同じ、しかし左右のデザインが全く違う、イヤリングの常識に外れていますね。しかし、考えてみますとね、人の顔を見る時、左右の耳が一緒に見えることは、意外と少ない。真正面から見る時だけですよ。それなら顔の向きによって、違うイヤリングが見えるのも楽しいと、ピアジェは考えたのでしょう。指輪もイヤリングも、大胆な企画を得意とする、いかにもピアジェらしい傑作ですね。
PIAGET ピアジェ
リングは、黄色い薔薇を回転させることで写真のような石1粒の指輪とモチーフのみの指輪に。

イヤリングは右側下部にある羽のようなパーツを取り外しできます。「ピアジェ ローズ」リング(WG×トルマリン7.21ct×エメラルド計0.087ct×ダイヤモンド計2.258ct×イエローサファイア計0.201ct)2970万円(予定価格) 同イヤリング(WG×トルマリン3.9ct×ダイヤモンド計2.56ct×エメラルド計0.209ct×イエローサファイア計0.158ct)1980万円(予定価格)/ともにピアジェ
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