ジュエリー

2人のスペシャリストに聞く「今、価値のあるジュエリーとは?」

2025.09.16

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輝きの真価──ジュエリーを持ち、継承する楽しみ── ジュエリーには、出合う喜び、身に着ける幸福感、そして時を超えて継承する資産価値という多面的な魅力があります。では、今、どのような宝飾品を選ぶべきなのか? 宝石に詳しく、市場を熟知する2人のスペシャリスト、ジュエリーアドバイザーの原田信之さんと、クリスティーズ・アジア・パシフィック宝石部門チェアマンのヴィッキー・セックさんに伺いました。

「ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー」
代表取締役 原田信之さん
1983年「諏訪貿易」入社。宝石バイヤーの傍ら、ジュエリーのプロデュースも担当。2017年、所有しているジュエリーの活用方法をアドバイスする「ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー」を設立。宝飾品のプロへのアドバイスも行う。

「クリスティーズ」
アジア・パシフィック宝石部門チェアマン ヴィッキー・セックさん

老舗オークション「Christie’s」に入社以来30年以上にわたり、アジア中心に宝石部門を牽引。長年の経験と専門知識に裏打ちされたキュレーション力、そして市場多様性への理解に基づいた戦略により、世界中のコレクターから高い信頼を得る。

今、価値のあるジュエリーとは

コロナ後に一気に高まった宝飾品への熱視線。それは美しさへの希求とともに、不安定な経済下における資産としての価値も手伝ってのことでした。ジュエリーオークション市場での動向を、クリスティーズのヴィッキー・セックさんはこう分析します。

「世界情勢が混迷しているものの、ニューヨークやジュネーブ、香港といった主要オークションでは重要コレクションの出品が続き、この春には複数の会場で100パーセント落札を記録しました。なかでも高品質な色石やカラーダイヤモンド、希少性の高いアンティークのユニークピース(9月30日公開の記事で詳解)は価値が衰えず、注目を集めています。アジア市場ではサイズの大きさやデザインよりも宝石のクオリティが重視される傾向があり、カラーダイヤモンドや高評価の色石などに入札が集中します」

宝石の価値は、単なる美しさや価格の高さだけでは決まりません。本当に価値のある宝石の判断基準について、ジュエリーアドバイザーの原田信之さんはこう語ります。

「石の格を判断するには、まず硬度が重要です。ジュエリーとして日常づかいする宝石は、摩耗や衝撃に強くなくてはならないので硬度が高いことは必須条件。ダイヤモンドは最も硬く、ルビーやサファイアも非常に優れた硬度を持つので、長期間にわたりその美しさを保つことができます。三大貴石と呼ばれるサファイア、ルビー、エメラルドは、希少性の高い産地や無処理であることも重要です。例えばルビーでいうとビルマ産(現ミャンマー)は鉄分が少なく、特有の美しい赤が評価されていますが、現在は価格が高騰しすぎているので代わりにモザンビーク産ルビーが注目されており、同様に高品質なものが多く、特に無処理のものは将来的にも高い資産価値が期待できるとされています」

長く愛用でき、継承していける格や信頼性、物語を持った宝石を見つけることが、価値のあるジュエリー選びなのです。

Color Diamond
ファンシーカラーダイヤモンド

近年価格が特に高騰しているのがピンクダイヤモンドとブルーダイヤモンド。こちらは、クリスティーズオークションで落札されたカラーダイヤモンドのトワエモアリング。(ピンクオレンジダイヤモンド〈5.01ct〉×ブルーグリーンダイヤモンド〈5.01ct〉×ダイヤモンド×ゴールド)。

Sapphire
サファイアは産地の希少性や処理の仕方でも価値が変わる

カシミール 極微細な内包物によりかすかに乳白色を含んだ優しいブルーが特徴。独特な青は矢車菊に似ているため「コーンフラワーブルー」とも。

カシミール
極微細な内包物によりかすかに乳白色を含んだ優しいブルーが特徴。独特な青は矢車菊に似ているため「コーンフラワーブルー」とも。

ビルマ 現ミャンマー。大粒のサファイアが多く採れることで知られる。深みのある濃くて鮮やかなロイヤルブルーが特徴。今はほぼ採れない。

ビルマ
現ミャンマー。大粒のサファイアが多く採れることで知られる。深みのある濃くて鮮やかなロイヤルブルーが特徴。今はほぼ採れない。

スリランカ 明るく透明感のあるブルーが特徴。上質なスリランカ産サファイアなら、サイズが小さくても黒っぽく見えず美しいトーンを発揮する。

スリランカ
明るく透明感のあるブルーが特徴。上質なスリランカ産サファイアなら、サイズが小さくても黒っぽく見えず美しいトーンを発揮する。

3大貴石は産地、処理の有無により魅力も価値も大きく異なります。例としてサファイアは「鉱山の閉鎖などにより入手困難になっている産地のものは価格が高騰します。“青の宝石”として人気のサファイアですが、三大産地といわれたカシミールは100年前に採掘が終了、ビルマ産もスリランカ産も数が減っているので非常に高値です。そこで注目したいのが、マダガスカル産のサファイアです。産地としての歴史は浅いものの、三大産地に近い美しさと多様性があり、さらに無処理の個体も少なくないことから、将来的な価格上昇が見込まれる非常に有望な選択肢といえます」(原田さん)

Diamond
カラーレスダイヤモンドの狙い目は面積が大きく見えるファンシーカット 

「カラーレスダイヤモンドの場合は、カット形状にも注目してみましょう。ラウンドブリリアント以外のファンシーシェイプ、例えばマーキース(左)やオーバル、ペアシェイプ(中)、エメラルドカット(右)などは、ラウンドと比較すると、同じ石目方でも縦長であるため面積が大きく華やかに見えます。特にエメラルドカットは上品な反射光が特徴で、時代を超えて愛される輝きを放ちます。形のよいファンシーシェイプは、値段以上に希少性が高いものです。色はGIA(米国宝石学協会)のダイヤモンドのカラーグレーディングでいう無色透明のハイカラー(D、E、Fあたり)を選ぶとよいでしょう」(原田さん)

Jade
アジア市場で資産価値を誇る翡翠のジュエリー

右・リング(翡翠カボション約21.8×17.0×11.4ミリ×ダイヤモンド×ゴールド) 左・ネックレス(翡翠約11.0〜9.5ミリ、ビーズ51個、ラウンド・ルビー×バゲットカット・ダイヤモンド×ゴールド)

右・リング(翡翠カボション約21.8×17.0×11.4ミリ×ダイヤモンド×ゴールド) 左・ネックレス(翡翠約11.0〜9.5ミリ、ビーズ51個、ラウンド・ルビー×バゲットカット・ダイヤモンド×ゴールド)

「翡翠は、アジア市場で特に人気がある宝石で、五大オークション会場の中では、唯一香港でのみ取り扱いがされています。古代中国において翡翠は、もともと皇帝や王侯貴族だけが身につけることを許された特別な存在で、地位や権威の象徴とされていました。現代でも多くのアジア系の方々にとって、翡翠という宝石を身につけることは、ステータスや品格を示すことでもあり、高額な取り引きがされています」(セックさん)

この記事の掲載号
『KATEIGAHO JOURNAL(家庭画報 ジャーナル)』
2025年9月6日発行号(非売品/Free)

『KATEIGAHO JOURNAL(家庭画報 ジャーナル)』は、雑誌『家庭画報』より発行する定期タブロイドメディアです。ワンテーマに特化した内容で、皆さまをラグジュアリーな世界へご案内します。

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