
諏訪さんが「橋本コレクション」の指輪を用いて作成した年表の一部をご紹介します。アメシスト以外の石も含め、指輪を通して宝石のカットスタイルの変遷をご覧ください。
◆紀元前2000~◆

◆1200年代~◆

Q.「ブリリアントカット」はなぜ1700年代まで作られなかった?
A.それまでは精度の高い研磨技術が存在しなかったためです。回転する研磨盤に宝石を当てて研磨する技術がいつ発明されたかは定かではありませんが、18世紀後半に刊行された『フランス百科全書』には、研磨盤を用いてダイヤモンドを研磨する様子が描かれています。
研磨盤は当初人力で回していましたが、19世紀に入ると蒸気が動力源となり、現在は電動です。
Q.アメシストに適したカットスタイルは?
A.紫の深く柔らかな色合いを引き出すカボションカット(上写真)がおすすめです。硬度10のダイヤモンドや硬度9のルビーなどと比べて、硬度7のアメシストは摩耗しやすく、また、ファセットカットにすると角や稜線が欠けやすいといえます。その点、カボションカットなら表面に微細な傷がついても美しさが大きく損なわれることは少なく、長く愛用できます。とはいえ、好みもありますので、物に接触することが少ないネックレスや、特別な日だけにつけるジュエリーであれば、ファセット付き(下写真)のものを選ぶのもよいでしょう。
※次回へ続く。
この記事の掲載号
撮影/中村 淳 取材・文/清水千佳子 画像提供/国立西洋美術館