ジュエリー

4000年前から現代へ。年表で学ぶ、宝石のカットスタイル

2025.07.31

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[連載]アメシストの神秘 紫の復権 色や大きさと並んで、宝石の価値を決める重要な要素でありながら、未解明のことが多い、宝石の「カット」。宝石界の第一人者・諏訪恭一さんが、最近見出したというその変遷と、アメシストにおすすめのカットについて、「橋本コレクション」の貴重な指輪とともに解説します。・前回の記事はこちら→

vol.3 4000年前から現代へ。宝石のカット、その変遷(中編)

年表で学ぶ 宝石のカットスタイル

諏訪さんが「橋本コレクション」の指輪を用いて作成した年表の一部をご紹介します。アメシスト以外の石も含め、指輪を通して宝石のカットスタイルの変遷をご覧ください。

◆紀元前2000~◆

◆1200年代~◆

年表内の作品はすべて国立西洋美術館蔵 橋本コレクション 画像提供/国立西洋美術館

年表内の作品はすべて国立西洋美術館蔵 橋本コレクション 画像提供/国立西洋美術館

カットをより深く知るためのQ&A

Q.「ブリリアントカット」はなぜ1700年代まで作られなかった?

.それまでは精度の高い研磨技術が存在しなかったためです。回転する研磨盤に宝石を当てて研磨する技術がいつ発明されたかは定かではありませんが、18世紀後半に刊行された『フランス百科全書』には、研磨盤を用いてダイヤモンドを研磨する様子が描かれています。研磨盤は当初人力で回していましたが、19世紀に入ると蒸気が動力源となり、現在は電動です。


Q.アメシストに適したカットスタイルは?
A.紫の深く柔らかな色合いを引き出すカボションカット(上写真)がおすすめです。硬度10のダイヤモンドや硬度9のルビーなどと比べて、硬度7のアメシストは摩耗しやすく、また、ファセットカットにすると角や稜線が欠けやすいといえます。その点、カボションカットなら表面に微細な傷がついても美しさが大きく損なわれることは少なく、長く愛用できます。とはいえ、好みもありますので、物に接触することが少ないネックレスや、特別な日だけにつけるジュエリーであれば、ファセット付き(下写真)のものを選ぶのもよいでしょう。

※次回へ続く。


諏訪恭一さん(すわ・やすかず)

1942年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業。65年米国宝石学会(GIA)宝石鑑別士の資格を取得(日本人第一号)。諏訪貿易会長。国際貴金属宝飾品連盟色石委員会副委員長、国際色石協会執行委員などを歴任。2022年国立科学博物館特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』監修。『決定版 宝石』(世界文化社)、『価値がわかる宝石図鑑』(ナツメ社)、『知っている人は得をしている宝石の価値』(新潮新書)など著書多数。

「アメシストの神秘」の記事一覧はこちら>>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2025年08月号

家庭画報 2025年08月号

撮影/中村 淳 取材・文/清水千佳子 画像提供/国立西洋美術館

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