[連載]アメシストの神秘 紫の復権 色や大きさと並んで、宝石の価値を決める重要な要素でありながら、未解明のことが多い、宝石の「カット」。宝石界の第一人者・諏訪恭一さんが、最近見出したというその変遷と、アメシストにおすすめのカットについて、「橋本コレクション」の貴重な指輪とともに解説します。・
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vol.3 4000年前から現代へ。宝石のカット、その変遷(後編)
宝石の仕上げを決める“3要素”とは
宝石のカットは「スタイル」、「シェイプ」(輪郭)、「面の取り方/仕上げ」という3つの要素からなり、その組み合わせは数百にも及びます。
1.スタイル
原石の種類や透明度、内包物の有無などを見て形状を決める
タンブル 転がって角が取れた自然な形。
スラブ(平板) 平面に磨いて整えた立体。
カボション 丸い山形に整えたカット。半透明や不透明な宝石に多い。
ビーズ 立体に粗削りした後、機械や手作業で穴を開ける。
ローズカット バラの花弁が折り重なったように面を取る。
ブリオレット ドロップ形。周囲を三角形または長方形の面で囲んでいる。
クラウン(ガードルの上)とパビリオン(ガードルの下)を持つカット ダイヤモンドをはじめ、透明石に多用される。 ※ガードル=宝石の外周に当たる部分のこと。
2.シェイプ(輪郭)
上面(フェイスアップ)から見た形を決める
3.面の取り方/仕上げ
宝石の用途に応じて面の取り方を決めて仕上げる
ブリリアント(スター) 面が中央から放射線状に配置されている。
ステップ ガードルに対し面が平行。
シール(シーゲル) 上部がフラットで、パビリオンに面を取るカット。
バフトップ 上部がドーム形のカボションで膨らみがあり、下部に面を取る。
彫刻 塊や平板に絵柄を彫り込む。
その他の仕上げ このチェッカーボードカットのようにファセット(宝石表面の切子面)の形、配列、仕上げはさまざま。
諏訪恭一さん(すわ・やすかず)
1942年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業。65年米国宝石学会(GIA)宝石鑑別士の資格を取得(日本人第一号)。諏訪貿易会長。国際貴金属宝飾品連盟色石委員会副委員長、国際色石協会執行委員などを歴任。2022年国立科学博物館特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』監修。『決定版 宝石』(世界文化社)、『価値がわかる宝石図鑑』(ナツメ社)、『知っている人は得をしている宝石の価値』(新潮新書)など著書多数。
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