ファッション

美しい立ち姿を手に入れるなら 体の重心となる「立ち軸」にぴたりと合う靴を選びましょう

スタイリストのおおさわ千春さんが大人の女性が手にすべき「本物」をご紹介するこの連載。ご自身の体験談をもとに、迷い世代の日常に必要な“ブランドの力”をどう取り入れるべきかを指南いただきましょう。第7・8回は、“ヒール女”だったというおおさわさんがたどり着いた「自分らしく立てる靴」、セルジオ ロッシのパンプスをご紹介。

おおさわさんが約7年前に購入したブラックのスエードパンプス。9㎝くらいのピンヒールですが、おおさわさんの「立ち軸(重心)」に合う、少し内側に入ったヒール形状のため、ぐらつくこともなく、パーフェクトな履き心地。「結婚式に履くための靴として購入。柔らかいスエード素材は、足馴染みがいいのもポイント」。

〔迷い世代の服選び〕
40代にこそ効く「ブランド力」
第7回 セルジオ ロッシ

皆さんは、自分の足にぴったり合うヒール靴を持っていますか? 高めのヒールを履いても、その靴がまるで体の一部のように感じられ、足元を意識しないでいられる……そんなパンプスに出合っているでしょうか?

「自分が自分らしく立てる」靴とは一体どんな靴かを知ることは、お洒落観や自分の身体について掘り下げることと繋がっているように思います。

今回は、50代に突入するまでの長い期間を、「ヒール女」として過ごした私の経験を交えながら、ハイヒールの選び方や、自分に合うシューズメゾンの見つけ方について、お話ししようと思います。

セルジオ ロッシのヒールで
自分の「立ち軸」を発見

20代後半から、50代に入るまでの私は、ハイヒール一辺倒で、撮影現場にもハイヒールで行くほどでした。ハイヒールを履くことが自分のモチベーションを上げ、ある意味、当時の私のアグレッシブな面を鼓舞してくれるものだったと思います。

歩きやすいハイヒールを求めて、ヒールの高さ、形状、つま先のデザイン、足幅など、あらゆる靴を試し、どれだけ靴に投資してきたかわからないほど。

そんな中で、30代後半に出合ったのがセルジオ ロッシでした。もともとは幅があまりなく、厚みもない私の足にフィットする木型だったこと、更にヒールの位置が、私の「立ち軸=重心」にぴたりと合っていたのです。

セルジオ ロッシのファクトリーに保管されている1100以上の木型のアーカイブ。シューメゾンならではの長い歴史を、木型を通じて知ることができる貴重なコレクション。同様に、ディテールにこだわりがあるヒールのコレクションもあり、長年にわたる職人たちの靴への熱い想いを感じることができます。

私の場合は、ヒールが踵から真っすぐに落ちるデザインではなく、少し内側に入っているというのが一番のポイント。私はストレートネックもあり、やや後ろに反り気味な姿勢の為、ヒールが少し内側に入っていたほうが身体を支えやすかったのです。

そんな私の「立ち軸」にぴったり合っていたのがセルジオ ロッシでした。立っていても歩いていてもまったく軸がぶれず、一足目から、我慢せずに自分らしくいられたことで虜になり、以来このブランドを愛用するようになりました。
この2足に共通する「内側に少し入ったヒール」が、おおさわさんの最も歩きやすい形。ともに10年ほど前に購入。「奥のブルーは、ブルーのパンツに合わせて、足元もワントーンにしたくて買いました。手前は、ベージュのワンピースにコーディネートしています」

実際、セルジオ ロッシの靴は、どんなにヘビーユースしていても靴底が減らなかったのです。普通、歩き癖などで斜めに減ったりするものですが、それもほとんどなく、靴のメンテナンスに出しても“あまり履いていないのですか?”と言われるほど。

また、ネイルサロンで足のケアの際には“ハイヒールばかり履いているのに踵や足裏にほとんどダメージがないのは何故?”と驚かれていました。それくらい私の足にフィットしていたのでしょう。

もともと熟練の靴職人だった父の後を継いだセルジオ・ロッシ氏は、1951年に自分の名を冠したブランドを設立。彼の「靴は身体の一部」であり、「美しい脚を完成させるための重要な要素」という哲学は、まさに私自身が身をもって感じたことでした。

私は、セルジオ ロッシに出合ったことで、美しく歩くための「立ち軸」を発見し、これに合うヒールの付け位置の靴を履けば、「自分らしく立てる」ということに気がついたのです。

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