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美しい帽子はどのように生み出される?石田欧子さんのアトリエを訪ねて

2017.11.06

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ストールに手袋にブーツ、そして帽子……秋冬は多彩なファッションの小道具をコーディネートする季節です。特にシックなコートを纏う機会が増える冬には、帽子は顔まわりに華やかなインパクトを添えるお洒落のパートナーになるでしょう。

そこで今回は、日本における帽子ブランドの代表格ともいえる「Akio Hirata」でチーフデザイナーを務め、自らのブランド「H.at(エイチ.エイティー)」を手がける、石田欧子さんの最新コレクションをご紹介します。

美しい帽子はどのように生み出される?石田欧子さんのアトリエを訪ねて



赤い軒先が目印の瀟洒なブティックは、ショーウィンドーを見ているだけでも心躍るよう。


フランス語で“高級婦人帽子”を意味する「オートモード」という言葉とともに、帽子界のオートクチュール文化を日本に根付かせた伝説のモディスト(帽子デザイナー)、故・平田暁夫さん。同氏の長女である石田欧子さんは、西麻布の路地裏に佇む「Boutique Salon CoCo(ブティック サロン ココ)」とアトリエを受け継ぎ、自らもモディストとして世界を舞台に活躍しています。研ぎ澄まされた感性が美しき帽子を生み出すシーンを拝見しながら、帽子作りに込める思いを伺いました。





ブティック1階の奥から細い螺旋階段を上りきると、まず目に飛び込むのが天井から所狭しと吊り下げられたチップ(帽子の型)やブレード、そして棚にぎっしりと並ぶクラウンの木型の数々です。平田暁夫さんの代から丁寧に使い込まれた道具や材料がひしめき合うその先に、石田欧子さんはいらっしゃいました。



チップを選ぶ眼差しから、モディストとしての信念が感じられます。

10人ほどの帽子職人が黙々と各々の役割を担うなか、やわらかな光の降り注ぐ窓際の作業机に向かう石田さんは、まるで新たに生まれる帽子と無言の会話をしているよう。「どの位置に花をあしらうと一番美しく見えるか、クラウンとのバランスを見ているところです」と、机の横に姿見を置いて何度も試着して確認する様子から、わずか数工程を垣間見ただけでも、美の本質を追い求める人からは、斯くもやあらんという、静かな情熱が感じられます。



石田さんが帽子作りで大切にしていること、それは「あくまでも主役は帽子をかぶる女性」ということ。お父さまの代から受け継いだ型や豊富なアーカイブをベースにしながらも、決してそれに頼りすぎることなく、「今」という時代の空気を大切にデザイン。クラウンの形状や高さ、ブリム(つば)の大きさや角度のバランス、そして花やリボンの装飾に至るまで……。徹底して「その帽子の一番美しく見える魅力」を引き出すことに心を注ぎ、最後は目では測れないほどのニュアンスを手の感触を頼りに仕上げていきます。

型を用いながらも、型に全てを委ねない帽子作りのスタイルを、石田さんは「形を変えるための型」と表現します。「自分の目と感覚と美意識を信じて、型を崩していく……そうすることで、帽子をかぶる“人”と“帽子”が繋がり、かぶってもらうことで初めて帽子に息が吹き込まれる」と語ります。
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