夏の爽やかな風が吹き抜ける避暑地・軽井沢。旧軽井沢のアートギャラリー「KYU KARU SALON」にて、2026年8月1日(土)よりコシノジュンコ展「風とモード」がスタートしました。
初日に行われた特別トークショーには、コシノジュンコ氏と『家庭画報』15代目編集長・千葉由希子が登壇。
会場を包む華やかな空気のなか、コシノ氏の原点である「モード画」と、伝統美をモダンに魅せる「うちわアート」が一堂に集結しました。会場限定の連載パネルや書籍も用意された、8月30日(日)までの特別な会期。その見どころとトークの模様をお届けします。
ふたつの風が交差する。キュレーター鈴木之氏が語る「一瞬を捉える美」

コシノ氏の孫であり、本展のキュレーションを手掛けたJK GALLERYの鈴木之。
コシノジュンコ氏の表現の出発点。それは服だけではなく、「絵」を描くことにあります。
今回の展覧会では、丸い画面を小さなキャンバスに見立てた「うちわ作品」の風と、時代を鮮やかに駆け抜ける「モード画」の風が見事なハーモニーを奏でています。
イベントの冒頭、本展のキュレーションを手掛けたJKGALLERYの鈴木之(ゆき)氏から、作品に吹き抜ける“ふたつの風”について語られました。
「風は通り過ぎて消えていくもの。けれどコシノ先生は、そのかけがえのない一瞬の風を作品として描き止めてきました。感覚と情熱が弾ける表現の瞬間を、ぜひ会場で体感してください」(鈴木氏)
1階から2階へ、さらには階段脇や奥のスペースに至るまで、一歩進むごとに力強い美のエネルギーが迫ってきます。
1枚の真っ白なうちわから。『家庭画報』の連載と深縁のストーリー

笑顔で対談するコシノジュンコ氏(右)と『家庭画報』15代目編集長、千葉由希子(左)。バックを飾るのは華やかな「うちわアート」と「モード画」。
対談で明かされたのは、うちわアート誕生にまつわるストーリーです。
始まりはコロナ禍。「時間ができたから、今までやったことがないことを」と思い立ったコシノ氏が取り寄せたのは、京都の老舗店が作る真っ白なうちわでした。
夢中で筆を走らせ、生まれた作品はなんと200枚近く。
この圧倒的な作品群から厳選したうちわアートを、コシノ氏へのインタビューとともに紹介する、連載「コシノジュンコ こころに響く“うちわ話”」が2022年に家庭画報でスタート。12回に渡り毎月掲載され、後に2025年、書籍『コシノジュンコ うちわ話』として結実しました。
アクリル額装で空間に浮かび上がるような美しさのうちわ絵が並ぶ。

1階に広がる『家庭画報』連載パネル展示コーナー。
現在、会場1階には『家庭画報』の連載ページが大型パネルとなって並び、作品とともに言葉の魅力に浸れる空間が広がっています。
「スマホで見てすぐ消えてしまう時代だからこそ、手で触れられる本や作品には残る価値がある」と語るコシノ氏。竹と和紙の温もりに、墨の躍動と金箔の輝き。空間を彩るアクリル額装の作品群は、どれも圧倒的な存在感を放っています。
「失敗はチャンス」──髪型から描くモード画と、コシノ氏のパワー溢れる名言

2階展示されたモード画とうちわ絵。
そして本展のもうひとつの主役が、コシノ氏の原点である「モード画」です。
「モード画は私が勝手に言っている言葉(笑)。でもモードの世界だから、何をやっても自由なんです」
そう笑顔で語るコシノ氏の描き方は実にユニーク。下書きは一切せず、筆を手にとり、なんとヘアスタイルやメイクから描き始めるのだそうです。
「髪型が決まれば、そこから自然と服もストーリーも生まれてくる」という言葉に、会場からは感嘆の声が聞こえました。
さらにトークが人生観に及ぶと、コシノ氏ならではの名言が飛び出しました。
「失敗はチャンス。過去はもうゴミなんです(笑)。動かせない過去にこだわるより、これからの可能性がある今日をワクワク生きるのが一番。明日は誰にも見えないから平等なんです」
「今が最高」と言い切る情熱と力強さ。作品から放たれるパワーとコシノ氏の言葉に、会場全体が元気と勇気で満たされた瞬間でした。
軽井沢の夏を彩るアート体験。お気に入りをお手元に

コシノジュンコ展「風とモード」の開催は、8月30日(日)まで。
会期中、会場では展示されているモード画やうちわ額装の作品を購入可能です。
期間中は1階にて書籍『コシノジュンコ うちわ話』も販売。
爽やかな木漏れ日と涼風が心地よい夏の軽井沢。旧軽井沢の「KYU KARU SALON」で、日々の暮らしを美しく彩るアートの風に出会ってみてはいかがでしょうか。
【開催概要・案内情報】
コシノジュンコ展「風とモード」会期:2026年~8月30日(日)まで開催中
時間:10:00~18:00
休廊日:水曜日
会場:KYU KARU SALON(旧軽サロン)
アクセス:長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢(旧軽井沢エリア内)
公式WEB:
https://www.kyu-karu-salon.com/artgallery/exhibition/212/