ファッション

2026年パリミラノNY新作コレクションのキーワードを解説

2026.03.30

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2026年春夏パリ・ミラノ・NYコレクション、注目トレンドキーワードは?

多くのビッグブランドのデザイナー交代が熱い注目を集めた2026年春夏コレクション。新世代による「伝統の革新」が生む最新トレンドには、フレッシュなエネルギーが溢れています。

特集「内田有紀が心躍るラグジュアリーの新表現」の記事一覧はこちら>>>

「変化」と「落ち着き」両方楽しむ過渡期のモード

2026年春夏コレクションは、ファッション界の一大転換期として大きな話題を呼びました。人気ラグジュアリーブランドのデザインを担うディレクターが、軒並み新世代に交代するという未だかつてない変化が起こったからです。ファッション史に残る一大事のなかでも、とりわけ注目を集めたのが「シャネル」と「ディオール」。

シャネルは、カール・ラガーフェルドの右腕だったヴィルジニー・ヴィアールの後に、「ボッテガ・ヴェネタ」で才能を開花したマチュー・ブレイジーが就任。一気に新世代の感覚によって、「現代的なリアル」を求め、よりリラックスした表現へと新生シャネルの舵を切りました。


ディオールには、この10年間で「ロエベ」の人気を高めたジョナサン・アンダーソンが着任し、大胆な「伝統と革新」に挑戦。ムッシュ ディオールの精神に立ち返りながらも、クチュール的デザインを現代的なバランスやディテールであえて“崩した”伝統の再解釈が斬新でした。デザイナー交代劇は、「グッチ」やボッテガ・ヴェネタ、「セリーヌ」、「バレンシアガ」などでも起こり、「ブランドらしさ」が新しい才能によって再考されています。

老舗ブランドを引き継ぐ誰もが、まず向き合うのはアーカイブです。ブランドの根本をなすDNAを見極め、それを現代へ甦らせるオリジナルの視点が求められます。

従って最新コレクションには、自ずとブランドの「原型」と「更新」が表れていて、普遍的な「伝統」のよさと、前向きな「新しさ」という両方の魅力を積極的に取り入れたデザインが多く登場しています。

例えば、流行に左右されない白と、個性的で着る人にパワーを与える鮮やかな色が、ともにトレンドカラーとして並んでいるのは象徴的な流れでしょう。また、トレンチやブレザーなどトラッドの魅力が再評価される一方で、大胆なボリュームを操る新鮮な着こなしも提案されています。

私たちは、この変化の激しい時代にあって、「落ち着きながら冒険する」という、相反する魅力を同時に楽しむことができそうです。

CHANEL

CHANEL:ブランドのアイコニックな白のツイードスーツは、ウエスト位置を下げて自由な動きを表現。

©CHANEL

ブランドのアイコニックな白のツイードスーツは、ウエスト位置を下げて自由な動きを表現。

CHANEL:ショーのスタートを飾ったパンツスタイルのスーツ。メンズライクな素材とスタイルながら、ショートジャケットの裾の内側にはメゾンのアイコンのチェーンがあしらわれ、美しいシルエットを演出しています。

©CHANEL

ショーのスタートを飾ったパンツスタイルのスーツ。メンズライクな素材とスタイルながら、ショートジャケットの裾の内側にはメゾンのアイコンのチェーンがあしらわれ、美しいシルエットを演出しています。

CHANEL:恋人ボーイ・カペルのシャツを愛用したココ・シャネルのイメージを再現。シャツはパリの老舗シャツメーカー、シャルベとのコラボレーション。©CHANEL

©CHANEL


恋人ボーイ・カペルのシャツを愛用したココ・シャネルのイメージを再現。シャツはパリの老舗シャツメーカー、シャルベとのコラボレーション。

DIOR

DIOR:クリスチャン・ディオールの50年代のデザインから着想を得て、リボンやドレープ、シルエットを現代的に変換したドレス。 クリスチャン・ディオールの50年代のデザインから着想を得て、リボンやドレープ、シルエットを現代的に変換したドレス。
DIOR:1947年に「ニュールック」として時代を変えた“バー”ジャケットが、ウルトラミニとともに甦ります。 1947年に「ニュールック」として時代を変えた“バー”ジャケットが、ウルトラミニとともに甦ります。
DIOR:首もとで高く結んだリボンは17世紀に流行した“クラバット”のイメージ。服飾文化に敬意を表すメゾンの精神をデニム素材のカジュアルさで表現。ミニスカートのリボンもクチュール風。 首もとで高く結んだリボンは17世紀に流行した“クラバット”のイメージ。服飾文化に敬意を表すメゾンの精神をデニム素材のカジュアルさで表現。ミニスカートのリボンもクチュール風。

【Keyword 1】
ホワイト&エネルギーカラー

今季春夏シーズンのトレンドカラーといえば、まず白に注目を。コレクションのランウェイで新鮮なインパクトを見せたのは上質な素材の全身白のコーディネート。日常着としても白をメインにした着こなしをぜひ試してみては。

BOTTEGA VENETA

BOTTEGA VENETA

HERMÈS ©Filippo Fior

HERMÈS ©Filippo Fior

それとは対照的に、鮮やかな色づかいも目を引きました。グリーン、オレンジ、イエローなど、エネルギーに溢れたヴィヴィッドカラーの組み合わせは上級者向けですが、定番色の差し色にもおすすめ。

PRADA ©Prada

PRADA ©Prada

FENDI

FENDI

【Keyword 2】
ボリュームシルエット

着こなしをリフレッシュしたいならシルエットにボリューム感を加えてみましょう。

LOUIS VUITTON ©LouisVuitto

LOUIS VUITTON ©LouisVuitto

「ルイ・ヴィトン」では切り替えのあるバルーンスカートでカジュアルな装いに優雅さをプラス。

BALENCIAGA ©Balenciaga

BALENCIAGA ©Balenciaga

創始者クリストバルの斬新なシルエットをモダンに再現した新生バレンシアガ。バルーン型ボトムはキュロットのため、より活動的に。

【Keyword 3】
ネオ・トラッド

ブレザーやトレンチコートなど普遍的なトラッドスタイルが新鮮に復活。

CELINE

CELINE

セリーヌはエフォートレスなパリジャン・シックを新提案。ゆったりめのシルエットで大人のシックさを演出しました。

GUCCI

GUCCI

新アーティスティック・ディレクターのデムナは、グッチのGGパターンの色をライトに変えてクールさを表現。スカーフづかいもトレンドに返り咲いて。

MAX MARA

MAX MARA

「マックスマーラ」はトレンチをドレスに転換。


解説者 渡辺三津子
資生堂の企業文化誌『花椿』から編集のキャリアをスタートする。『フィガロジャポン』『エル・ジャポン』誌を経て、2000年に『ヴォーグ ジャパン』編集部へ。2008年から2021年まで13年間編集長を務める。2022年に独立し、ファッションジャーナリスト&コンサルタントとして活動中。

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この記事の掲載号

『家庭画報』2026年04月号

家庭画報 2026年04月号

撮影/生田昌士〈hannah〉 スタイリング/宮澤敬子〈WHITNEY〉 ヘア&メイク/板倉琢磨〈nude〉 取材・文/間中美希子 撮影協力/バックグラウンズ ファクトリー

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