ファッション

シャネル「ロニオン」とコラボレーションした日本のクリエイター「デザイン橡(とち)」を訪ねて

2025.10.17

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〔特集〕この秋、『la Galerie du 19M Tokyo』が開催 シャネル、極上の手仕事を称えて 熟練職人が生み出すプリーツアトリエ「ロニオン」 「シャネル」の傘下にある11のメゾンダールと約700人もの熟練の職人と専門家を擁するパリの施設「le19M(ル ディズヌフエム)」。その中で、同ブランドのクリエイションに不可欠なのが、プリーツ制作を一手に担うアトリエ「ロニオン」です。現在東京で開催中の展覧会『la Galerie du 19M Tokyo』に合わせて、伝統のサヴォアフェールが息づくロニオンの手仕事技に迫ります。さらに同展覧会でロニオンと共同制作を行った京都の織物職人、豊島美喜也さんの工房「デザイン橡(とち)」にも伺いました。前回の記事はこちら>>

『la Galerie du 19M Tokyo』でコラボレーションした日本のクリエイター「デザイン橡(とち)」を訪ねて

金属線と自然素材を用い伝統の織物で表現

丹後ちりめんの生産地として知られる京都府与謝野町に織物工房を構える「デザイン橡」の豊島美喜也さん。自家栽培した綿や希少価値の高いきびそというシルクを使った織物の制作に加え、金属線をジャカード織に仕上げるという、誰も成しえない革新的な作品の数々で世界的に知られた職人の一人です。今回のシャネルの展覧会への参加も、これら金属織物がきっかけになったといいます。

自ら耕した畑で栽培した綿花から紡いだ糸を、自家栽培の藍やびわの葉、くちなしなどの自然素材を使って染め上げます。

自ら耕した畑で栽培した綿花から紡いだ糸を、自家栽培の藍やびわの葉、くちなしなどの自然素材を使って染め上げます。

木工職人でもある豊島さんは織り機のみならず、織物にかかわるほぼすべての道具や機械を自作。こちらの「くも」と呼ばれる道具も豊島さんが手作りしたもの。きびその糸を束ねたかせから別の枠に糸を巻き取るのに使用。

木工職人でもある豊島さんは織り機のみならず、織物にかかわるほぼすべての道具や機械を自作。こちらの「くも」と呼ばれる道具も豊島さんが手作りしたもの。きびその糸を束ねたかせから別の枠に糸を巻き取るのに使用。

今回の「ロニオン」とのコラボレーションの際、豊島さんが素材の参考にした茶綿。トイプードルのような色と質感に惹かれたのだとか。

今回の「ロニオン」とのコラボレーションの際、豊島さんが素材の参考にした茶綿。トイプードルのような色と質感に惹かれたのだとか。

工房内には、豊島さんの名を世界に知らしめた金属織物が飾られています。「夜の光に照らされた姿も美しいんです」と豊島さん。写真は金属織物をさらに交互に編み込んだ作品。

工房内には、豊島さんの名を世界に知らしめた金属織物が飾られています。「夜の光に照らされた姿も美しいんです」と豊島さん。写真は金属織物をさらに交互に編み込んだ作品。

金属線とテグスを組み合わせることで柔らかな質感を表現した織物も制作。

金属線とテグスを組み合わせることで柔らかな質感を表現した織物も制作。

織り具合をチェックする豊島さん。金属織物は一日で10メートルほどのペースで織り上げるそう。

織り具合をチェックする豊島さん。金属織物は一日で10メートルほどのペースで織り上げるそう。

『la Galerie du 19M Tokyo』で「ロニオン」とのコラボレーションが実現し、その作品のために豊島さんが選んだ素材は金属ではなく綿でした。なかでも茶綿の深みのある色と質感に惹かれ、それらがイメージソースになったそう。

手前の茶色の織物が『la Galerie du 19M Tokyo』でのコラボレーションのために「ロニオン」へ送ったもの。生地を織るのに使用した年代物のレピア織機はこれ自体がアート作品のような存在感。

「伝統の織物という技法と革新的な素材でこれまでにない表現を追求し続けています」

手前の茶色の織物が『la Galerie du 19M Tokyo』でのコラボレーションのために「ロニオン」へ送ったもの。生地を織るのに使用した年代物のレピア織機はこれ自体がアート作品のような存在感。

「茶綿から着想を得て織った布に、本来はプリーツ加工のためにポリエステルを加えるのですが、それでは面白くないと思い、樹脂加工を施すという私なりの冒険を試みました。その生地がパリのロニオンで日本古来の網代張りをイメージしたプリーツ模様に加工されると聞いています。海外のデザイナーによっては、こちらが思いもよらないような織物の使い方をされることがあり、今回も後はお任せしますという気持ちで、作品の仕上がりを見るのを楽しみにしています」

『la Galerie du 19M Tokyo』において、「ロニオン」が京都のデザイン橡の豊島さんとコラボレーションしたプリーツの制作風景。豊島さんが制作した織物に、日本の伝統的な網代張りからインスピレーションを得たプリーツが立体的に形作られています。

「プリーツ制作において、最も貴重な道具はやはり職人の手、所作、そして直感なのです」──クリステル コシェール(「ロニオン」「ルマリエ」 アーティスティック ディレクター)
『la Galerie du 19M Tokyo』において、「ロニオン」が京都のデザイン橡の豊島さんとコラボレーションしたプリーツの制作風景。豊島さんが制作した織物に、日本の伝統的な網代張りからインスピレーションを得たプリーツが立体的に形作られています。

豊島美喜也さん(とよしま・みきや)
「デザイン橡」主宰。織物職人であり、建築デザイナー、木工職人の顔も持つ。約20年前に織物に魅了され、後に金属織物の制作に取り組む。毎年パリで開催される展示会『メゾン・エ・オブジェ』への出展を機に海外進出を果たし、現在は国内外のラグジュアリーブランドのファサードやインテリアも手がけている。

「シャネル」が贈るクラフツマンシップの祭典が六本木に!
la Galerie du 19M Tokyo

2025年9月30日(火)~ 10月20日(月)
©CHANEL

©CHANEL

『Beyond Our Horizons未知なるクリエイション、その先へ』東京シティビュー

『Lesage刺繍とテキスタイル、100年の物語』森アーツセンターギャラリー

シャネルが設立したパリの複合施設「le19M」に工房を構える、11のメゾンダールと日仏の職人やアーティスト約30人によるコラボレーション作品を集めた没入型の展覧会。今回ご紹介した「ロニオン」と「デザイン橡」の豊島美喜也さんのほかにも、刺繡とツイードのアトリエ「ルサージュ」と染織家の石垣昭子さんによるコラボレーションなど、貴重な作品の数々が一堂に会します。ほかにも「le19M」のメゾンダールの卓越した技術を紹介するインスタレーションや、ルサージュの100周年を記念した作品も展示。その他、趣向を凝らしたワークショップなども開催予定。

詳細は、シャネル カスタマー ケア センター(FAX:0120-525-519)まで。

会場:東京シティビュー&森アーツセンターギャラリー
住所:東京都港区六本木6-10-1 
入場料:無料(予約制)

この記事の掲載号

『家庭画報』2025年11月号

家庭画報 2025年11月号

写真提供/シャネル 撮影/小野裕次 取材・文/新田幸子

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