ジュエリー

専門家が解説するジュエリーの歴史「女性のためのジュエリーが生まれるまで」

女性のためのジュエリー。個人蔵 協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート

個人蔵 協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート

自立した女性のための
新しいファッション、新しいジュエリーが生まれた

社会の変化に伴い、女性のファッション、ジュエリーも劇的に変わります。まずは女性の衣服ですが、男に代わって社会で働く女性が、それまでのような地べたを引きずるようなロングドレスや、大きく胸の開いたデコルテの衣服を着て働けるわけはありませんよね。スカート丈は膝までのものとなり、全体に直線裁ちが中心となります。非常に男性的な衣服が登場します。

そしてジュエリーです。今までのような曲線・曲面を表現したようなアール・ヌヴォーのもの、あるいは貴族が使っていた「エドワーディアン」あるいは「ベルエポック」と呼ばれるようなやたらと大きいジュエリーでは、直線で構成された男性的な衣服にはまったく似合いません。ですから当然のように、それまでのものは一斉に市場から姿を消し、代わって、今日にまで通じるような「新しいジュエリー」が主流となります。

新しいジュエリーの特徴と、大きな変化は次の2点です。

(1)小ぶりになった
それまでのジュエリーは、働かなくともいいことを示す、あるいは相手を威圧するために、非常に大きなものが中心でしたが、身に着けやすい大きさになりました。

(2)すっきりとして明瞭なデザインになった
直線や幾何学模様を好み、写実的ではなく抽象的なデザインのジュエリーが多く作られるようになります。一口に言えば、大変に男性的になったのです。女性が男性並みに働く世の中になると、ジュエリーにもそうしたトレンドがやってくるのは当然のことといえるでしょう。

これが、女性が自分で選び、自分で買い、自分で使うジュエリーの始まりです。繰り返しになりますが、今では普通のことだと思ってもいるその変化も、まだ百年ほどしか経っていないのです。

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