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オーデマ ピゲの本社、スイス・ジュウ渓谷で体感した伝統と革新の時計作り

2018.12.25

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家庭画報.com編集長・大野 陽がリアルレポート!「話題のアレ、試してみました、ココ、行ってきました」

スイスの最高峰時計「オーデマ ピゲ」の本拠地ル・ブラッシュで行われたプレスイベントに去る2018年9月20日、21日の2日間参加してきました。イベントのテーマは「ウーマン&ネイチャー」。オーデマ ピゲは、どちらかというと男性的な印象が強い時計ブランドと思われている方が多いかもしれませんが、実は、歴史を遡るとレディスウォッチで革新的な傑作を生み出しているのです。そして、もうひとつのテーマであるネイチャー。スイスのジュウ渓谷で1875年に創業した同ブランドは今も、この地で脈々と時計づくりを続けています。ジュウ渓谷は時計好きの方ならご存じのとおり、いくつかの最高峰時計ブランドが存在するスイス時計作りの聖地として有名です。なぜ、今も都市から離れた自然環境の厳しい地で傑作時計が生み出されるのか? その真実を知るべく、リアル目線でリポートします!

数ある最高峰時計の中でもオーデマ ピゲの唯一無二のキャラクターはどこから来るのか?


オーデマ ピゲは、私が男性誌編集者をしていた頃からの憧れ時計です。なかでも1972年に誕生したラグジュアリースポーツウォッチの不朽の名作「ロイヤル オーク」は原型はそのままに今も進化し続けるモデルとして男女問わずに大人気。なぜ、オーデマ ピゲが世界中の人々を魅了するのか? 取材を進めるうちに答えが見えてきました。



1972年に誕生したラグジュアリースポーツウォッチの金字塔「ロイヤル オーク」。


1875年創業のオーデマ ピゲは、複雑時計の制作に情熱を傾ける2人の若者、ジュール=ルイ・オーデマとエドワール=オーギュスト・ピゲによって、スイスのジュウ渓谷の街ル・ブラッシュに設立されました。そして143年経った今、この創業者2人の子孫、4世代目に当たる2人が家業を守っています。現在、ほかの多くの最高峰時計ブランドが、大きなブランドグループとして進化している中、独立した「家族経営」を貫いているのは貴重なことです。「家族経営」だからこそ生まれたブランドの個性を、経営のキーマン2人にお伺いしました。

まずお話を伺ったのは、取締役会長ジャスミン・オーデマさん。創業者ジュール=ルイ・オーデマの曽孫に当たる方です。



Q オーデマ ピゲがブランドとして大切にしていることは何ですか?

A 1875年創業のオーデマ ピゲは、一貫して“外側のデザイン”、“内側のデザイン”にこだわってきました。伝統を受け継ぎながら、常に革新を盛り込むことでこれまで様々な進化を遂げています。私たちの強みは家族経営です。フィロソフィーを共有し、素早く意思決定を行う、時代の波に揉まれながらもオーデマ・ピゲ家の創業家は自主性を持ち続け、優れた時計技術者、社員全てをファミリーとして大切にしてきたのです。

Q オーデマ ピゲのレディス時計の歴史は?

A オーデマ ピゲは今日、メンズのイメージが強いかもしれませんが、現在は30%がレディス時計です。しかし、歴史を振り返ると、実は様々な美しい芸術的なレディス時計を作ってきました。機械式の複雑時計はもちろん、宝飾のセッティングに関しても高い評価を受けてきました。今もフィレンツェ仕上げ、ポーランド技法などの革新的で美しい技術を継承しています。そして、皆さんがご存じのロイヤル オークは、1976年から女性向けモデルを展開しています。

Q 創業の地、ジュウ渓谷で今も変わらず時計づくりをしていますが、ル・ブラッシュとはどんな場所ですか?

A ル・ブラッシュという冬は自然環境厳しいジュウ渓谷にて生まれたオーデマ ピゲ。ミニッツリピーターは暗い中でも時間がわかる複雑機構で、音で時を知らせる“必然”の発想で生まれたものです。現代においてスマホ、スマートウォッチなどがあり、時間を知る道具としては、それで良いかもしれせん。しかし、私たちが作っているのは脈々と受け継がれた“命”であり、そこに息吹を吹き込んでいるのです。そして機械式複雑時計を持つことは、人類の叡智、美しいアートを手首につけることなのです。

 

会社を率いるのは、元プロスポーツ選手のキャリアを持つフランソワ-アンリ・ベナミアスCEO




Q 日本では、オーデマ ピゲは男女ともにとても人気があります。

A 日本はとても好きな国です。ディテールにこだわる気質、家族経営の伝統、美しいものへの価値観は、我々のフィロソフィーと共通する意識、物づくりへの愛があり、良いものを知っている日本の方々に、オーデマ ピゲが人気なのはとても嬉しいことですね。

Q 男女でデザインが共通しているものが多いですね?

A 私たちの時計は、ほとんどがノージェンダー、性別を超えた価値を持った時計だと思います。女性向け時計として展開するモデルを男性が買うこともあるし、男性向け時計を女性が買うこともあります。男性、女性と壁を設けていません。それは、現代的な価値観ともいえます。

Q ブランドとして変わらないことは何ですか?

A 独立系ブランドとして、変わらないことは、常に人を大切にしていること。会社の文化を共有し、同じチームであることを大事にする。143年、成功してきた理由は“人”に尽きます。すべての従業員の声を大切にしているから。世界に約1600人の社員がいるのですが、私は一人一人と2分の時間を取るようにしています。そして「今の仕事が幸せですか?」「何か変えるとしたら?」と2つの質問をします。その答え、真実は中から生まれるのです。社員はまさに家族です。

Q 今後の戦略は?

A これから先に目指すのは、より品質にこだわっていくこと。株主にコントロールされることなく、価格を変えることなく、直接消費者に届けていく努力をしていく。会社として、ブランドとして更なる価値を高めていくこと。日本の方々によりオーデマ ピゲの世界を知ってもらうための試みも考えています。2019年秋に、東京で大きなイベントも予定していますので、楽しみにしていてください! 伝統があると過去を振り返ることが多々ありますが、大切なのは、未来のことを考えて過去を振り返ること。伝統と革新を大切に、常にとどまることのない、先を見続けた時計をお届けしていきます。

 

オーデマ ピゲのブランド哲学に“To break the rules, you must first master them”という言葉があります。“型を極める。型を壊すために。”という創業当初からの考え方で、技術が脈々と継承されていくことで伝統、基本が成熟されていくのです。その上で未来を見据えた革新と前衛的な発想を取り入れ、進化してきたのです。「型を知らないのは単なる形無し、型を知った上で破るのが型破り」という私の好きな日本語とも共通していて、とっても納得し、ますますこのブランドのファンになりました!
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