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ルイ・ヴィトン一族が長年暮らした家、パリ郊外の“アニエール”を訪ねて

2023.01.20

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世界中に愛されるその秘密 ルイ・ヴィトンのある暮らし 第5回(全14回) 旅にまつわるラゲージからその歴史を始めた「ルイ・ヴィトン」。その後、ファッション、ジュエリー、アートと、常に時代を牽引し、新しいライフスタイル “文化”を作り上げてきました。ルイ・ヴィトンが、なぜこれほど世界中の人々から愛され続けるのか。創業者の生誕200周年を迎え、さらなる進化を続けるその魅力を、パリ特別現地取材を含めご紹介します。前回の記事はこちら>>

ルイ・ヴィトン一族が長年生活をした家“アニエール”で足跡を辿る


“アニエール”で足跡を辿る〔息子ジョルジュが完成させた美意識を集結させたリビング〕アール・ヌーヴォー運動の中心であるナンシー派に傾倒していたジョルジュは、住居の改築にその様式を取り入れた。名匠ルイ・ジャナンによる花と植物を図案化した大ステンドグラスやギマール風の装飾に調度と、隅々まで美の宿る空間を実現させた。

アトリエ兼住居であったアニエールは現在も製作の場


「モードの梱包専門」として従来の慣習にとらわれず他社との差別化をはかり、また経験による確固たる自信と技術で、ウジェニー皇后をはじめ多くの顧客を獲得したルイ・ヴィトン。オープンからわずか5年で手狭になった店から、より広いアトリエを求めて引っ越しを余儀なくされました。

トランク製造用のポプラ材運搬のためセーヌ川からのアクセスが容易であり、1号店のあるオペラ座界隈へもサンラザール駅にも通じている場所。先見の明を持つルイが、アニエールをアトリエの場所に選んだのは必然でした。


アトリエに隣接する住居で暮らしたヴィトン一族は、2代目ジョルジュの未亡人ジョゼフィーヌが1964年に亡くなるまでこの地で過ごしました。ルイ一家が住んでいた頃のアニエールは、モネやルノワールらの印象派の画家たちが描いたセーヌ川岸のように、穏やかで色彩豊かな場所でした。

“アニエール”で足跡を辿る若き日のルイの写真を中心に、一族の面々。2代目のジョルジュはトランク製造の経験を積んだ体験をもとに、子どもたちにもアトリエでの現場経験を発案し継承されている(ブランドの真髄であるトランクの製作を行う、現在のアニエールの様子)。

従業員も増え生産性も高まり、革新性と創造性により事業が拡大するアトリエの一方で、ガストン‒ルイが、従兄弟への手紙の中に「アニエールは田舎です。毎週日曜日におじいさんの家でもてなされ、ポトフがふるまわれた」と書いているように、家族の絆が守られる空間でもあったのです。

現在は、メゾンの企画展やヨーロッパ文化遺産の日にのみ一般公開をしています。
ブランドの真髄であるトランクの製作が中心の現在のアニエール
取材・撮影協力/ルイ・ヴィトン 撮影/武田正彦 取材・文/下田あゆみ
『家庭画報』2023年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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