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人気スタイリストがベルギーで出会った、「一生ものバッグ」デルヴォーの物語

2022.09.20

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〔迷い世代の服選び〕大人になった“今の自分”に、栄養を与えてくれる服とブランド

気持ちも、体型も変化していく40代以降。大人だからこそ似合う服を知りたいという迷い世代の女性に、スタイリストおおさわ千春さんがおすすめするブランドやアイテムを紹介します。 第23回は、おおさわさんが「一生もの」として、大切に愛用しているデルヴォーのバッグの登場です。前回の記事を読む>>

第23回 手にするたびに心躍る、デルヴォーのバッグ


高価なバッグを買うとき、「これは一生使うから」と自分に言い訳をすることってありませんか? なのに実は「一生もの」となり得るバッグには、まだ出会っていないのかな?とずっと思っていました。

年齢や時代の気分を超越し、何より、その時々で「自分の気持ち」を鼓舞し続けてくれるバッグとは、そうそう出会えるものではない……ということが、様々なバッグを使い、経験を積んできたからこそわかったのです。

そんな私にとって、“ただひとつ”といっても過言ではない「一生ものバッグ」が、デルヴォーの「ブリヨン」。2018年の秋、『家庭画報』の撮影で、ベルギー、ブリュッセルのデルヴォー本社を訪れたときのこと。


ブリヨンを製作しているアトリエに伺い、職人さんたちがどのようにバッグを作っているのか見学させていただいたのですが、本当に驚きました。なんと、ほぼすべての工程をひとりの職人が仕上げていたのです。そのため以前は、バッグの内側に作った方のお名前が記してあったのだとか。どの職人さんも自信と誇りにあふれ、多くの時間を費やし、想いを込めて作り上げたバッグを、“素敵な方のもとへ届けたい”と語っていました。

それを聞いて「なんて素敵なの! 今しかない、買おう!」とワクワクしながらブリュッセルの本店へ向かい、「ブリヨン ミニ」を購入しました。今でも忘れられない思い出です。

デルヴォーのアトリエベルギー王国建国が1830年、それとほぼ時を同じくした1829年に創業したデルヴォー。以来、比類なきサヴォアフェールを磨き上げ、現在まで歴史を重ねてきました。

デルヴォーのデッサン新製品が誕生するたびに、「Le Livre d’Or リブル ドール=黄金帳」と呼ばれるブックに、詳細な説明とデッサンを記した新たなページが加えられていきます。

それからずっと大切にしている黒のブリヨン ミニ。トレンドが変化したり、年齢を重ねることで選ぶ服は変わっても、その時々のコーディネートに美しく寄り添い、装いの「格」を上げてくれるところはさすが。使うたびに「このバッグに恥じない自分でいたい」「まだまだ頑張ろう」という思いにさせてくれるのです。そんな「力」があるバッグこそ“一生もの”と言えるのではないでしょうか。

今回は、迷い世代の皆さんにも、是非、デルヴォーのバッグを知っていただきたいという想いで、おすすめのモデルをチョイスしました。

エターナルなデザインを極めた
ブランドのシグネチャー


私が「一生もの」として、大事に使っているのがこちらの「ブリヨン」コレクション。ブリュッセル万国博覧会が開催された1958年に誕生したこのバッグは、ル・コルビュジエが設計したフィリップスパビリオンからインスピレーションを受けたデザイン。64のレザーパーツとメタリックピースでできており、これらを繋ぎ合わせる作業には、8時間以上を費やしているのだそう。60年以上も変わらぬ魅力を放ち続ける、ブランドを象徴するバッグです。

デルヴォー,トリオン〈左〉「ファーストブリヨン」にふさわしいベーシックなモデル。「ブリヨン MM」(横29×縦21.5×マチ13.5㎝)95万5900円 <中>馬蹄型のバックルに七宝焼きでエナメルを施した新作。ひし形の模様が特徴的な遊び心があるディテールで、アイコニックな「ブリヨン」がひと味違った佇まいに。「ブリヨン ミニ」(横20×縦16×マチ11㎝)84万2600円 〈右〉「ブリヨン」のミニチュアバージョンの個性あふれるチャーム。世界中の国々にオマージュを捧げ、その国ならではのランドマークや文化財をたたえたデザインが可愛い! 「ミニチュアーズ」(各横8.5×縦11.5×マチ4.5㎝)各12万9800円/すべてデルヴォー(デルヴォー・ジャパン)

きちんと感のあるスタイルに映える
正統派のデザイン


スクエアのフォルムにサイドからのベルトに金具の付いた「タンペート」。1967年に誕生したこのコレクションは、「ブリヨン」に並ぶアイコンバッグ。クラスプを留めたり外したりして、様々なスタイリングを楽しめるのが特徴です。

“女王のような佇まい”をイメージした「ブリヨン」が箱入り娘なら、この「タンペート」はモダンな現代女性を思わせるデザイン。きちんとした場所へのお出かけならハンドバッグとして、またストラップ付きなので、カジュアルに肩掛けや斜め掛けでも装えるのがうれしいバッグです。

デルヴォー「私なら、レースのブラウス+タイトスカートのような、少しフェミニンな装いに合わせて持ちたいバッグ。きものでのお出かけにも映えると思います」。〈左〉秋冬の新色ハイビスカスは、夏の花盛りの終わり頃を思い起こさせる、深みのあるピンク。「タンペート スモール」(横19×縦15×マチ7㎝)66万4400円 〈右〉ミストラルカラーのグレイン クリスピー カーフレザーを使用した、2022-23年の新色。「タンペート PM」(横21.5×縦19×マチ9.5㎝)79万4200円/ともにデルヴォー(デルヴォー・ジャパン)

デイリーに華を添える
上質なカジュアルバッグ


普段の装いにさらりとデルヴォーのバッグを持っている女性を見たら「うわっ、なんてお洒落!」と注目してしまいます。デルヴォーは、ブランドをことさらに強調することなく、ひと目で上質とわかるところが素敵なんです。

左の「ランゴー スモール」は、秋冬の新作。カジュアルにもキレイ目にも持てるデザインで、使い勝手もよさそう。中央は、ゆらゆらとスイングするカーブ状のソールがユニークな新作の「パン スウィング」。Dモチーフの部分がポケットになっているところも便利です。右の「パン ミニ バケット」は、ウォータージェットで穴を開けたレーザーパネルに、小さなD形のレザーパーツがハンドステッチで施された、クラフツマンシップあふれる逸品。斬新なレザーワークテクニックを、リラックスしたデザインで楽しむ「余裕」に大人の贅沢が漂います。

デルヴォーのバッグ〈左〉2022年3月に登場した「ランゴー」がよりコンパクトに。取り外しと長さ調節が可能なショルダーストラップ付きで機能的なデザインに進化。こちらは新色のポレンカラー。グレイン アルピナカーフレザーを使用。「ランゴー スモール」(横19×縦14×マチ5.5㎝)48万6200円 〈中〉「このブルーの色味が大好き!」とおおさわさん。取り外し、長さ調節可能なトップハンドルとショルダーストラップ付き。「パン スウィング」(横29×縦20×マチ9㎝)37万2900円 〈右〉コットンキャンバス素材の巾着が入っており、レザーの本体と両サイドのホックで留める仕様。しなやかなダークエボニーのトリヨン ソフトグレインレザーを使用。取り外し、長さ調整可能なストラップ付き。「パン ミニ バケット」(横18×縦21×マチ9㎝)64万7900円/すべてデルヴォー(デルヴォー・ジャパン)

私の大好きなデルヴォー、いかがでしたか? 「一生もの」のバッグの基準は人それぞれだと思いますが、せっかくなら、手に入れるまでのストーリーまで含めて愛しく思えるようなバッグに出会えるといいですね。

●お問い合わせ
デルヴォー・ジャパン
電話 03-6418-0983

おおさわ千春/Chiharu Osawa

スタイリスト。
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
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表示価格はすべて税込みです。 撮影/大見謝星斗 編集協力/湯澤実和子
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