ファッション
2022/09/12
気持ちも、体型も変化していく40代以降。大人だからこそ似合う服を知りたいという迷い世代の女性に、スタイリストおおさわ千春さんがおすすめするブランドやアイテムを紹介します。
第22回は、今シーズンのトレンドである「ボリュームシューズ」をフィーチャー。量感のある厚底靴を、大人はどうやって履きこなせばいいのかを、おおさわさんに伺いました。前回の記事を読む>>
皆さんは、もう秋の靴は買いましたか? 今シーズン、「旬の足元」に欠かせない靴として、是非手に入れてほしいのが、ボリュームのある厚底シューズです。
厚底にも様々なタイプがありますが、今季の注目は、ローファーやレースアップなど、メンズライクなデザインのもの。モード界自体、ジェンダーレスやハンサムウーマンといった潮流がメインストリームになっているので、足元もその流れを汲んでいるのです。
私は、厚底のメンズライクなシューズは、「ラグジュアリースニーカー」に代わる、次のトレンドだと考えています。流行のビッグシルエットの服を支えるのにふさわしい、存在感のある足元を作りながら、レザーならではの正統感があるところが大人に丁度いいんです。
迷い世代の皆さんの中には、「今までこういう靴を履いたことがない」とか「どんな服に合わせたらいいかわからない」という方もいらっしゃるかもしれませんね。実は、私もこういうデザインの靴にトライするのは初めて。上手に取り入れるには、モードやカジュアルに転ばせるよりも、「トラッドの延長線上」でコーディネートするのがポイントです。
例えば、テーラードジャケット+シャツ、テーパードパンツの裾から少しソックスを見せて足元は厚底靴。こんなスタイルがイメージです。オーバーサイズのコートをバサッと羽織って、足元はボリュームシューズというのも格好いいですね。その際、時計はしっかりと「いいもの」をつけるなど、どこかにラグジュアリーなポイントを作ると大人ならではの装いになると思います。それでは、具体的に、おすすめのシューズやコーディネートを紹介していきましょう。
ゴツめのソールが主張するシューズは、足元が主役になれる「強さ」が特徴。ジェンダーレスなテイストの、「媚びない」デザインに惹かれます。この靴を履くだけで旬が薫り、洒落て見えると思います。
〈右〉レースアップに「ケリー」バックルがあしらわれた「ファースト」。「ジャケットや襟がきちんとあるメンズライクな服に合わせて」。(ヒール高6cm)22万6600円/エルメス(エルメスジャポン) 〈左〉ライニングが総ムートンになった温かな仕様の「ディオール コード」。「白いボアが外側にもはみ出しているところが、ほっこりしていて可愛い。フレアやチュールスカートなど、甘いアイテムにも映えると思います」。(ヒール高1.5cm)16万9000円/ディオール(クリスチャン ディオール)
この秋冬は、ビッグシルエットのコートやジャケット、ローゲージニットなど「重い」上半身がトレンド。ボリュームのあるトップスと、バランスがいいのが厚底ローファー。今までだったらスニーカーを合わせていたところですが、今季は、メンズライクなローファーが気分です。
〈右〉長めのノーズがしっかりと足をホールド。「きちんと感のあるジャケットスタイルに合わせて」。(ヒール高3.5cm)13万900円(9月発売予定)/トッズ(トッズ・ジャパン) 〈中〉おおさわさんが個人的に買いたいと思っているのがこの靴。「シルバーにラインストーンのバックルのローファーは、グレーの服に合わせて、遊び感覚で履きたい」。(ヒール高2㎝)17万4900円/セルジオ ロッシ(セルジオ ロッシ カスタマーサービス) 〈左〉すっきりフォルムでエレガントな印象。「秋冬の装いはダークな色になりがちですが、白い靴を合わせると軽やかに仕上がります」。(ヒール高7.5㎝)10万6700円/トッズ(トッズ・ジャパン)
私が考える「足元が主役に見えるコーディネート」の具体例がこちら。モノトーンのシックなスタイルに、プラットフォームのローファーで、足元に「重さ」を出したコーディネートです。大人の場合は、厚底はキレイめな装いに合わせると美しくまとまります。
存在感のあるレザーエフェクトラバー素材のプラットフォームソール&ヒール。脚長効果も抜群です。「今季流行のショート丈のパンツを合わせる場合は、マットな黒いタイツで下半身を“一体化”して」。シューズ(ヒール高7.5cm)12万2100円 シャツ6万6000円 パンツ8万6900円 ベルト6万8200円 バッグ30万300円 サングラス3万8500円/すべてトッズ(トッズ・ジャパン) ネックレス(スタイリスト私物)
ボリュームのあるソールの靴に替えると、目線が高くなり、「見える景色」が変わってきます。靴を新調すると、お洒落はもちろん、それ以外でもいろいろな気づきがあることが実はとても大事。新しい靴が、あなたをもっと素敵な場所に連れていってくれますように。
●お問い合わせ
エルメスジャポン
電話 03-3569-3300
セルジオ ロッシ カスタマーサービス
電話 0570-016-600
トッズ・ジャパン
電話 0120-102-578
クリスチャン ディオール
電話 0120-02-1947
スタイリスト。
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
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撮影/大見謝星斗 編集協力/湯澤実和子
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