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願わくば100歳まで現役を。天野惠子先生が健康維持のために実践していることとは?

2025.08.29

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イラスト/上大岡トメ

〔連載〕80代、現役女医の一本道 生涯現役を貫くためには、養生が欠かせません。ふだんから自分に合ったルーティンを持ち、規則正しく過ごすことで、小さな体調の変化に早期に気づけて健康管理に役立ちます。私が実践している健康法を紹介します。・前回の記事はこちら→

第2回 私の一日の過ごし方

撮影/鍋島徳恭

天野惠子(あまの・けいこ)
1942年生まれ。内科医。医学博士。東京大学医学部卒業。静風荘病院特別顧問。日本性差医学・医療学会理事。NPO法人性差医療情報ネットワーク理事長。性差を考慮した女性医療の実践の場としての「女性外来」を日本に根づかせた伝説の医師として知られる。82歳の現在も埼玉県・静風荘病院の女性外来で診療にあたっている。53歳、52歳、45歳の3女の母

生涯現役のための5つのポイント

私は今、一軒家で2匹の愛猫と暮らしています。医師は私の天職ですから、願わくば100歳まで現役を貫きたいもの。そのためには健康であることが大前提です。

健康維持のポイントは、(1)規則正しい生活、(2)体を冷やさない、(3)バランスのとれた食生活、(4)適度な運動、(5)ストレスをためないことの5つ。私がこれらをどのように実践しているかを紹介しましょう。

生活リズムを一定に保つ

起床はだいたい朝4時~4時半頃。起き抜けに1杯の白湯を飲んだら、朝風呂に入り、じっくり15分間、湯船につかって体を温めます。その後、猫と近所に散歩に出かけます。安全のため、猫に猫用のハーネスとリードをつけるのがお約束。猫が外の空気を楽しんでいるとき、鳥や蝶を眺めたりしているそばで、私も軽くラジオ体操をして体をほぐします。


散歩から帰ったら朝食です。一日のスタートである朝食は、たっぷりと。ときには朝からステーキをいただくこともあります。

出勤は9時。私の外来は完全予約制で、全国から患者さんが訪れます。初診時の問診にはじっくり1時間をかけ、多様な女性の症状に対処するため、西洋医学に漢方などを組み合わせて治療に当たっています。夕方5時に退勤し、6時に帰宅したら夕食の準備。夜はごく控えめにすませます。入浴後、デスクワークをしたり、猫とくつろいだりしていると、9時頃には自然と眠くなります。

基本的に夜は出かけず、会議はオンライン、会合はなるべく日中に設定するようにしています。生活リズムが整ってストレスとは無縁で過ごすことができ、体調を大きくくずすことがなくなりました。これが私のひとり暮らしの一日です。

朝は心身を目覚めさせ、夜は疲れを癒やす

私は1日2回の入浴を長年の習慣にしています。朝は5時台、夜は7時台。朝は心身をシャキッと目覚めさせ、夜はその日の疲れを癒やしてくれるバスタイムは、私にとってなくてはならない大切な時間です。さまざまな入浴剤を日替わりで楽しんでいます。

入浴中は、お湯につかりながら足指体操をしたり筋肉をほぐしたりしてリラックスします。また、私はふだん、テレビをあまり見ませんが、ときにはお風呂にポータブルテレビを持ち込んでニュースや医療関連のドキュメンタリーを見て情報収集をすることも。ひとり暮らしを楽しむ高齢者にスポットを当てたバラエティ番組は、なんだか元気が出るので好きですね。

お湯の温度を一年中、40度に設定しておくと、夏も冬も快適に入浴できます。湯船に15分つかると、皮膚温は38~40度まで上昇し、毛細血管が拡張して全身の血流が増加します。酸素や栄養分が行きわたって代謝がよくなり、肩こりや慢性痛などの改善効果も期待できます。

また、水圧で全身が軽く締め付けられてマッサージされたような状態になり、血流が促進されると自律神経が整い、睡眠の質が上がったり、疲労が回復して活動的になったりするでしょう。むくみが改善されるほか、浮力によって関節や筋肉の緊張がゆるんでリラックスさせてくれます。

イラスト/上大岡トメ

イラスト/上大岡トメ


さらに、体温が1度上がると免疫力が10%向上し、逆に、体温が36度以下になるとさまざまな病気にかかりやすくなるといわれています。ただし、40度を超える熱い湯は交感神経を刺激して血圧や心拍数が上がります。無理な長湯でのぼせないよう、ご自身の体調や生活リズムに合わせて、適度な時間・温度で入浴するようにしてください。

なお、湯船に毎日つかる習慣が健康寿命を延ばす可能性があることが、最近の研究でもわかってきました。要介護認定を受けていない高齢者約1万4000人を対象に3年間調査した結果によると、毎日入浴する人は、週2回以下しか入らない人に比べて、新たに要介護になるリスクが約3割も低いという結果が出たとのこと(東京都市大学人間科学部・早坂信哉教授らによる)。シャワーだけですませるのではなく、ぜひ毎日湯船につかるよう習慣づけることをおすすめします。

工夫次第で手軽にバランスのよい食事

バランスのとれた食事を毎日手作りするのは面倒と思う人も多いでしょう。私もそうです。しかし、工夫次第で手軽に栄養満点の食事をとることはできます。

一番のおすすめは、野菜スープです。玉ねぎ、にんじん、キャベツ、きのこの4種類をベースに、あとは季節の野菜を食べやすく切り、かぶるくらいの水を入れ、コトコト弱火で煮るだけ。調味料なしでも野菜の甘みとうまみだけでおいしくいただけます。

スープにすると、野菜に含まれる抗酸化物質などの有効成分が煮汁に溶け出し、効率よく栄養を摂取できます。もう6~7年続けていますが、野菜スープのおかげで自然と減塩ができ、高血圧も解消しました。

もう一つの工夫は、生協の宅配サービスを利用すること。カット済みの食材と調味だれ、レシピがセットになっている「お料理セット」を重宝しています。ムダなく簡単に作れ、食材の栄養成分が表示されているので栄養管理にも便利。減塩のため調味だれを半量にするといった調整もできて、いいことずくめです。

最後に、運動について触れておきます。仕事のない日は、週2回、パーソナルトレーナーについてストレッチと筋肉トレーニングを続けています。筋トレは75歳から始めてもう7年目に入りました。その成果か、太ももやふくらはぎはキュッと引き締まり、腹筋はうっすら縦に割れています。何歳からでも筋肉はふやせることがわかっており、健康のために運動は欠かせません。できるだけ早く、一生続けられる自分に合った運動を見つけると、生涯活動的に過ごせます。

◆今月の生きるヒント◆

日常に無理なく取り入れられる、自分に合った健康法を見極め、継続すること。一生モノの養生法はこうして見つける。



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「こんなふうに老いたい」「老親に読ませたい」など、共感の声が続々。
1765円 世界文化社刊

連載「80代、現役女医の一本道」の記事一覧はこちら>>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2025年09月号

家庭画報 2025年09月号

構成/石井栄子

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