〔特集〕ツボ、鍼灸、漢方薬、薬膳のチカラを解明 今、東洋医学の知恵に学ぶ 気・血・水をはじめ独自の概念のもと、鍼灸や漢方薬、薬膳などを用いて治療を行ってきた東洋医学は、長い間「よくわからないけど効く」といった評価を受けてきました。ところが近年、西洋医学の視点から東洋医学が効くメカニズムを解明する研究が盛んです。東洋医学の最新の動きと利点を押さえたうえで、日常で賢く活用する方法をご紹介します。
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実践! 東洋医学ライフ3【おうち薬膳】
体を潤し整える
寒い季節のお守りスープ
齋藤菜々子さん 料理家・国際中医薬膳師。「今日からできるおうち薬膳」をモットーに、身近な食材だけで家庭で作れるレシピを提案。『心と体をおいしく満たす バテないごはん くたくたの毎日を救うおうち薬膳90』(世界文化社刊/1760円)が好評発売中。
食材の性質を生かして、不調を改善
寒さや乾燥、暑さや湿気など季節ごとの変化は、実は体に少なからぬ負担となります。薬膳とは、中医学(中国の伝統医学)の考え方に基づき、日々の食事で心と体を整える食の知恵。不足を補い、滞りを排出し、体をバランスよく保つことで未病を防ぎます。
私が提案するおうち薬膳とは、身近な食材の効能を生かして体調を整えること。冬の冷えや乾燥からくる不調には、体を温める作用のある食材を積極的にとりたいもの。食材の「五性」に着目すると、食材選びがスムーズです。
食材にはそれぞれ、体を強く温める「熱性」、体を温める「温性」、中庸の「平性」、体を冷やす「涼性」、体を強く冷やす「寒性」という性質があります。薬膳では、冷えには「温性」の食材を、ほてりの改善には「涼性」の食材や体を「平性」に保つ食材を取り入れて体調を整えます。
冬は温性の食材を中心に、熱性のスパイスをお好みで加えるのもおすすめです。そこで、温性食材をたっぷり使ったスープを3品、次の記事よりご紹介していきます。
鶏肉は疲労回復効果が高く、おなかを温めます。かぶは消化を促し、胃腸を整えます。かぼちゃは体力を補い、便秘解消に役立ちます。トマトを組み合わせると酸味のあるさわやかな風味に仕上がり、温かいスープ仕立てならトマトの体を冷やす作用も中和されます。
なお、冬が旬の食材の中にも涼性や寒性の食材がありますが、食べ方や組み合わせなどでその性質が中和され、消化を助ける効果があります。
スープは、たくさんの食材の効能を包み込んでバランスよくおいしく仕立ててくれます。忙しいときこそ、次回よりご紹介するスープを作ってみてください。体力を補い、病気を遠ざけ、心を持ちこたえさせてくれるはず。何げない毎日の積み重ねが明日への活力を作ります。
食材の五性の働き
体を温めたり冷やしたりする食材本来の5つの性質。症状に応じて食材を組み合わせ、体調を整える。
[熱]体を温める強い作用がある
主な食材:羊肉、唐辛子、シナモン、こしょう
[温]体を温める作用がある主な食材:鶏肉、鮭、かぼちゃ、生姜
[平]体を温めも冷やしもしない主な食材:牛肉、白菜、にんじん、長いも
[涼]体を冷やす作用がある主な食材:豚肉、豆腐、なす、きゅうり、セロリ
[寒]体を冷やす強い作用がある主な食材:かに、たこ、冬瓜、トマト、スイカ
(次回に続く。
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