不調スッキリ! 毎日のツボ押し365 中医学のエキスパートである鍼灸師の兵頭 明先生が、ツボの効能や位置、効くメカニズムを解説します。健康の土台作りに、不調改善に、1日1分のツボ押しを習慣にしましょう。
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太溪(たいけい):腎経のツボ
ツボ名の由来
「太」は大を指し、「溪」は渓谷と同じ意味です。太溪というツボは、山間の流水を指しています。山間の流水が渓谷を通じてたくさん集まって大きな谷川を形成することから、太溪と名づけられています。
ツボの場所
内くるぶしの中心とアキレス腱の中央の陥凹部(くぼみ)
刺激の仕方親指の腹をツボに垂直に当て、ゆっくり息を吐きながら少し強めにツボを押さえていき、息を吸うときに指を戻します。これを左右同時に5回繰り返しましょう。
効能・作用
成長・発育・生殖機能の改善、尿もれ、吸気困難、老年症候群など
1.「腎」の働きの低下による成長、発育や生殖機能のトラブルを改善する作用があります。
2.尿もれ、排尿障害などの排尿のトラブルを改善する作用があります。
3.吸気困難(深く息を吸い込めない状態)を改善する作用があります。
4.老化現象による脳・耳・骨・歯・髪のトラブル(物忘れ、耳鳴り・難聴、骨密度の低下、歯や髪のトラブル)などを予防したり、改善させたりする作用があります。
【豆知識】東洋医学では、人の成長、発育、生殖機能、老化、寿命などは、「腎」の力と密接な関係があり、また「腎」の生理機能は脳・耳・骨・歯・髪と密接な関係があるとされています。加齢とともに「腎」の力が弱ってくると、脳・耳・骨・歯・髪などのトラブルが現れやすくなってきます。
文/兵頭 明 Akira Hyodo学校法人衛生学園(東京衛生学園、神奈川衛生学園)中医学教育臨床支援センター長、天津中医薬大学客員教授、神奈川歯科大学特任教授。1982年、北京中医薬大学卒業。中医学の真髄を広く日本に普及・啓蒙するため、『鍼灸医学大辞典』(医歯薬出版)、『針灸経穴辞典』(東洋学術出版社)、『経絡・ツボの教科書』(新星出版社)など著書・訳書は30数冊にのぼる。現在は、「医療・介護・鍼灸」3分野連携による認知症対策プロジェクトを展開している。
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