不調スッキリ! 毎日のツボ押し365 中医学のエキスパートである鍼灸師の兵頭 明先生が、ツボの効能や位置、効くメカニズムを解説します。健康の土台作りに、不調改善に、1日1分のツボ押しを習慣にしましょう。
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血海(けっかい):脾経のツボ
ツボ名の由来
“戻り集まるところ”を「海」といいます。血海というツボは、血と関係があり、鍼を刺して血を引き戻して脾に帰す効果があります。その様子が無数の川が下っていって大海に帰るようなところから、血海と名づけられています。
ツボの場所
膝を曲げ、膝蓋骨(膝のお皿)の内側の上の角から上2寸、大腿骨のそばのくぼみ
刺激の仕方親指の腹をツボに当て、垂直に10秒くらい押します。左右同時に5回繰り返しましょう。
効能・作用
月経痛、月経不順、閉経、皮膚湿疹、じんましん、大腿内側の痛み、膝の痛みなど
1.月経を調整する効能があり、月経痛、月経不順、更年期障害を改善する作用があります。
2.かゆみを止める効能があり、湿疹、じんましんのかゆみを緩和する作用があります。
3.血海の局所作用として、大腿内側の痛みや膝の痛みを緩和する作用があります。
【豆知識】1.身体のどこかに血行障害がある場合、この血海というツボに圧痛という反応が現れやすいという特徴があります。圧痛とは、指で押したときに感じる痛みのことです。
2.「健康長寿の実現、健康寿命の延伸」を目的とした「健寿6穴」の1つ。「健寿」は、「健康長寿、健康寿命」の略。
ツボ取りに役立つ「同身寸法」
親指の幅を1寸、人差し指・中指・薬指を合わせた幅を2寸、人差し指から小指までを合わせた幅を3寸とする。
ツボの探し方としては、ご自身の指の長さや幅から位置を割り出す「同身寸法」という方法が適しています。“自分の体は自分で測る”という考え方で、体格差などから一律に「cm」で表せないツボの位置も、同身寸法なら測ることができます。この連載では、しばしば「へその上3寸」といった表現が出てきますが、その際には上記の「同身寸法」を用いてツボを取ってみてください。
文/兵頭 明 Akira Hyodo学校法人衛生学園(東京衛生学園、神奈川衛生学園)中医学教育臨床支援センター長、天津中医薬大学客員教授、神奈川歯科大学特任教授。1982年、北京中医薬大学卒業。中医学の真髄を広く日本に普及・啓蒙するため、『鍼灸医学大辞典』(医歯薬出版)、『針灸経穴辞典』(東洋学術出版社)、『経絡・ツボの教科書』(新星出版社)など著書・訳書は30数冊にのぼる。現在は、「医療・介護・鍼灸」3分野連携による認知症対策プロジェクトを展開している。
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