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東洋医学

「神庭」は不安感や無気力感を取りのぞくほか、鼻づまりを改善する効果も

2025.12.07

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不調スッキリ! 毎日のツボ押し365 中医学のエキスパートである鍼灸師の兵頭 明先生が、ツボの効能や位置、効くメカニズムを解説します。健康の土台作りに、不調改善に、1日1分のツボ押しを習慣にしましょう。連載一覧はこちら>>

神庭(しんてい):督脈のツボ

ツボ名の由来

東洋医学では、脳は「元神(げんしん)の府」と言われています。「庭」は門庭(前庭:玄関周りを飾る庭)のことです。神庭というツボは、前髪際(前髪の生え際)の正中にあり、あたかも門庭にたとえられています。そのため神庭と名づけられています。

神庭(しんてい):督脈のツボ

ツボの場所

前髪際(前髪の生え際・眉間の上3寸)正中の0.5寸上のところ

刺激の仕方
中指の腹で垂直に10秒くらい押します。5回繰り返しましょう。

効能・作用

精神不安、不眠、記憶力の減退、健忘、鼻詰まりなど


1.精神を穏やかにすることにより、精神不安や不眠を改善する作用があります。

2.脳の働きを回復させることにより、記憶力の減退、健忘を改善する作用があります。

3.通鼻効果があるので、鼻づまりを改善する作用があります。

【豆知識】
「神」は、精神・意識・思惟活動、いわゆる精神活動全般を指します。記憶や知覚も、「神」の領域です。「神」という字のつくツボには、すべて「神」を調える作用、「調神」作用があります。

ツボ取りに役立つ「同身寸法」
親指の幅を1寸、人差し指・中指・薬指を合わせた幅を2寸、人差し指から小指までを合わせた幅を3寸とする。

親指の幅を1寸、人差し指・中指・薬指を合わせた幅を2寸、人差し指から小指までを合わせた幅を3寸とする。


ツボの探し方としては、ご自身の指の長さや幅から位置を割り出す「同身寸法」という方法が適しています。“自分の体は自分で測る”という考え方で、体格差などから一律に「cm」で表せないツボの位置も、同身寸法なら測ることができます。この連載では、しばしば「へその上3寸」といった表現が出てきますが、その際には上記の「同身寸法」を用いてツボを取ってみてください。

文/兵頭 明 Akira Hyodo
学校法人衛生学園(東京衛生学園、神奈川衛生学園)中医学教育臨床支援センター長、天津中医薬大学客員教授、神奈川歯科大学特任教授。1982年、北京中医薬大学卒業。中医学の真髄を広く日本に普及・啓蒙するため、『鍼灸医学大辞典』(医歯薬出版)、『針灸経穴辞典』(東洋学術出版社)、『経絡・ツボの教科書』(新星出版社)など著書・訳書は30数冊にのぼる。現在は、「医療・介護・鍼灸」3分野連携による認知症対策プロジェクトを展開している。
https://old.gto.ac.jp/tc_med

イラスト/ミヤジュンコ

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