新世代の鍼灸師に訊く 第20回(後編)鍼灸院は「未病を予防する」ことから「病気を改善する」ことまで守備範囲が広く、身近な健康アドバイザーとしてもっと活用したい医療施設の一つです。
前回の記事はこちら>>
更年期から起こりやすいトラブルの予防法・解決法「抗がん剤副作用のしびれ」
宋順姫先生(Moran鍼灸治療院)

Moran鍼灸治療院 院長 宋順姫(ソン・スニ)先生 1962年、東京都生まれ。大学卒業後、大手電機メーカーに就職。健康管理に鍼灸を活用していた母の影響で興味を持ち、社会人になってから鍼灸師の勉強会に参加し東洋医学を学び始める。50歳で会社を早期退職し東洋鍼灸専門学校に入学。2016年に開業。人々のセルフケア力を高めるために神奈川県川崎市の「暮らしの保健室」などでお灸教室を開催。
胃腸に関連するツボをじんわり温めて夏バテで弱った胃腸の調子を整える
お灸教室を続ける中、宋先生は一般の人に日常的にお灸を実践してもらうのは難しいことを実感。そこで考案したのが手軽に取り組める「米ぬかカイロ灸」です。「健康維持の基本は食事、睡眠、排泄、呼吸です。食事と排泄では胃腸の調子を整えることが大切です。夏は胃腸が弱りやすい時期なので、養生に米ぬかカイロ灸をぜひ取り入れてください」。
米ぬかカイロは電子レンジで温める。アイピローサイズ(写真)で600ワット40秒。蒸しタオルで代用可。固く絞った濡れタオルをラップで包み、電子レンジで同様に温める。
米ぬかカイロ灸
胃腸の調子を整える
●おなかを温める仰向けに寝て、中脘(ちゅうかん)(胃の募穴※2)、天枢(てんすう)(大腸の募穴)、関元(かんげん)(小腸の募穴)のツボに当たるように衣類の上から米ぬかカイロで10分ほどおなかを保温する。
※2 募穴とは臓腑(内臓)の気が多く集まるところで、臓腑に1つずつある。
●背中を温めるうつ伏せになり、胃の症状によく効くお灸のツボ「胃の六つ灸」(膈兪(かくゆ)、肝兪、脾兪)に当たるように衣類の上から米ぬかカイロで10分ほど背中を保温する。
米ぬかカイロの作り方

玄米:ぬか:塩を2:2:1の割合でよく混ぜて、布製の袋に入れる。使用可能回数200回、使用期限は1年半を目安に。作り方の詳細は鍼灸院HPを参照。
診療案内
神奈川県川崎市中原区丸子通2-707-7
TEL:044(572)5486 完全予約制
診療時間/火曜・木曜・金曜・土曜
10時~12時、14時~20時(土曜17時まで)
休診日/日曜・月曜・水曜・祝日
診療費/鍼灸治療(60分)5500円、抗がん剤副作用のしびれ(70分)6500円
http://www.rlsm.bb4u.ne.jp/~moran/*米ぬかカイロはBASEショップで通信販売もしている
https://moranshinkyu.thebase.in/・
連載「新世代の鍼灸師に訊く」の記事一覧はこちら>>>