漢方医が“暑い日にこそスープ”をおすすめする理由とは？〔久保奈穂実さんのおいしい漢方レシピ〕

【連載】久保奈穂実の「おいしい漢方レシピ」　古くから癒しや回復の薬としても親しまれてきた、スープやドリンク。薬膳的効能から選んだ食材で作る一杯で、毎日の生活に養生の知恵を取り入れてみませんか。国際中医薬膳管理師・漢方アドバイザーの久保奈穂実さんが、忙しくても、疲れていても、身近な食材でササっとできる、簡単でおいしくてヘルシーな漢方レシピをお届けします。毎週火曜日更新。久保奈穂実さんの記事一覧はこちら→

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〔7月の薬膳・漢方レシピ〕
雨の日の不調や美肌に「はとむぎ」を

雨の日の、むくみや重だるさにもやしを使ったスープをご紹介しましたが、胃腸の不調が出やすい人には、「はとむぎ」もおすすめです。

はとむぎは、生薬としては「薏苡仁（よくいにん）」と呼ばれ、利尿作用によるむくみ改善や、イボ取りによく用いられます。薬膳的にも体の余分な熱と湿を排出し、胃腸を元気にする効能があるので、雨の日の不調に最適。肌代謝を促し、肌のザラザラやニキビ跡の改善も助けてくれます。

とろろ昆布とはとむぎの即席スープ

はとむぎを日々とっている人は、本当にみなさん肌がきれいになっていくなあと感じます。

「薬膳の基本はスープ」と言っても過言ではないくらい、スープはとてもいい調理法です。

食材をコトコト柔らかく煮込むので、お腹に優しく消化吸収でき、スープに溶け出した栄養も丸ごととれるのも嬉しい点。また、野菜、肉、魚などさまざまな食材を一度にたっぷり食べられるので、それだけで食養生になります。さらに、暑い時期には冷たいもののとりすぎで胃腸に負担がかかりがちですが、スープならリカバリーもできます！　難しいことは考えずぜひ意識的に取り入れてみてくださいね。

こちらの「とろろ昆布とはとむぎの即席スープ」は体のベタベタを取るのに効果的です。はとむぎが香ばしくクルトンのようにサクサクした食感があり、食べ応えも満点です。

●材料と作り方

1）お椀にとろろ昆布を入れてお湯を注ぐ。

2）醤油をふた回し加え、焙じはとむぎをのせる。

※子宮収縮作用があるので、妊娠中は控えて。

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久保奈穂実（くぼ・なおみ）

久保奈穂実（くぼ・なおみ）

国際中医薬膳管理師。漢方アドバイザー。ハードな生活で身体のバランスを崩した際に漢方薬に助けられた自身の経験から興味を持ち、中医学と薬膳を学ぶ。現在、成城漢方たまりで年間約2000人の漢方相談・薬膳講師を行っている。著書に『1日ひとつ、疲れが消える　おいしい漢方365』『おいしい漢方365 いたわりスープとごほうびドリンク』（ともに世界文化社刊）。SNSで発信するやさしい養生知識や、簡単薬膳レシピも大好評。X：@naominkubo ／Instagram：＠naomin_yakuzen