〔特集〕正しく知れば怖くない 認知症の「新常識」 50代を迎え人生の折り返し地点を通過。親も高齢になり、「認知症」が身近な問題として徐々に存在感を増してきました。今、私たちが取り組むべきは、認知症を正しく理解し、恐れず、効果的な予防法に努め、適切な医療を求めること。まずは、ありがちな誤解や思い込みを改め、正しい知識を“新たな常識”として身につけることから始めましょう。
・
特集「正しく知れば怖くない 認知症の「新常識」」の記事一覧はこちら>>>
家族が認知症になったとき──
“接し方”を変えたら、父・母も変わりました
親の認知症問題が身近になり、意思の疎通に不安を抱く方も多いのでは?でもご心配なく。認知症の親の介護をしてきた5人の方たちが「対応次第で親は変わります」とご自身の体験を語ってくださいました。
【98歳の母を、現在介護中】
今 陽子さん (歌手)

ユーモアたっぷりの会話で心に余裕が生まれました
同じ話を何度も繰り返す母にイライラして怒鳴る、母が泣く、私は自己嫌悪に陥る──。仕事を抱えながら一人で背負っていた介護のストレスは、私の心身に大きな負担をかけていました。ある日、激しい胸痛に襲われ、労作性狭心症で緊急手術を受けることに。幸い大事には至りませんでしたが、「このままでは私が先に倒れる」と危機を感じ、「相手からは変わらない、まず自分が変わればいい」と気づいたのです。
何十回聞いた話にも初めてのように「そうなんだね」と耳を傾け、おかしな言動にはユーモアたっぷりに応じる──。レストランで母が入れ歯を外して空のお皿の上に置いたときは「あら、珍しいデザートだこと」。母は思わず笑いだし、私も大笑い。接し方を変えるとお互いに笑顔が増え、心に余裕が出てきました。デイサービスのスタッフの方も「最近お母様はとても明るくなりましたね」と驚くほどの変わりようです。苛立って怒ってばかりいた日々が噓のように、今、我が家の“老老介護”の日常には笑いが絶えません。
(次回に続く。
この特集の記事一覧はこちらから>>)