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町亞聖さん、18歳で始まった母の介護と弟妹の世話。その経験から学んだ「受援力」とは

2025.07.30

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障害は隠すものではない。支えがあれば何でもできる

日常の中で心がけたのは、家族が手を出しすぎて母の可能性を奪わないこと。症状が進行していく認知症と違って、母のできないことは最初から明らかでした。移動は車椅子、右半身が不自由、言葉がしゃべれない──。

「ならば家族が補えばいい。失敗しても時間がかかってもとにかくやってみよう」の精神で、外にも積極的に連れ出し、母も食器洗いや洗濯、掃除などできる限りの家事を分担したといいます。

「母は左手で器用にこなしていました。一歩外に出れば車椅子にはバリアだらけでしたが、困ったときは助けを求めれば必ず誰かが力を貸してくれました。障害があることは決して不幸ではないし、周りがサポートすれば大抵のことはできます。傍からは特別に見えたかもしれませんが、私たちの日常はごく普通の家族の生活でした」。


常に明るく笑顔を絶やさなかった母。「介護というより支えながら一緒に暮らしている感覚でした」(1997年頃)。

常に明るく笑顔を絶やさなかった母。「介護というより支えながら一緒に暮らしている感覚でした」(1997年頃)。

障害は隠すものではない、障害があっても生きやすい世の中に変えていくためには当事者の声を伝えなければいけない──。町さんがアナウンサーを目指したのは、母との暮らしの中で得たたくさんの気づきを世の中に発信したいと強く思ったからでした。その夢を叶えたとき母はまだ45歳の若さ。車椅子の生活に母も家族も慣れ、このままの暮らしが続くのだろうと疑わなかった矢先、衝撃的な事実が発覚しました。

母に末期の子宮頸がんが見つかったのです。抗がん剤治療を2回受けましたが、強い副作用のために3回目は断念。最期は自宅に戻り、50歳の誕生日を目前に家族に看取られながら息を引き取りました。

母が寂しい思いをしないよう、病室にはいつも誰かがいた。「家族にとってかけがえのない時間でした」(98年)。写真提供/町 亞聖さん

母が寂しい思いをしないよう、病室にはいつも誰かがいた。「家族にとってかけがえのない時間でした」(98年)。写真提供/町 亞聖さん

取材・文/浅原須美

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