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風邪に抗生剤はNG。「薬が効かなくなる未来」を防ぐために私たちができること

2026.10.01

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抗菌薬は正しく使わないと効かなくなる

2026年9月28日(月)、国立国際医療センター(東京都新宿区)にて、AMR臨床リファレンスセンターによるAMR(薬剤耐性)メディアセミナーが開催されました。

AMRとは、感染症の原因となる細菌に、既存の抗菌薬や抗生物質が効かなくなること。例えば、ウイルスが原因である“風邪”に対して抗菌薬を服用すると、効果がないだけでなく抗菌薬に耐性を持った「薬剤耐性菌」の発生につながります。薬剤耐性菌が増えると必要なときに抗菌薬が効かなくなり、治療や手術時の感染予防ができなくなるリスクが増大します。

国立国際医療センター AMR臨床リファレンスセンター センター長の大曲貴夫先生によると、日本における薬剤耐性菌の割合や抗菌薬使用量は世界的に見ると多くはないものの、高齢化が進む社会では、高齢者施設などでのAMR対策が課題とのこと。

「日本を含む世界中で抗菌薬不足も問題になっている」と話す大曲先生。

国際社会と連携を取りつつ、日本が抱える課題解決を目指す必要性について話す大曲先生。

続いて登壇したAMR臨床リファレンスセンター 副センター長の松永展明先生も「高齢者施設は感染症のリスクが高い」と指摘。また、がん患者では、がん自体を除いた最多の死因が感染症であること、手術時の感染症予防、周産期医療や災害医療など、現代医療は抗菌薬が機能していることを前提に成り立っており、「抗菌薬の効力低下はインフラの劣化」と危機感を訴えました。


続く同センター 薬剤疫学室長の都築慎也先生の講演では、AMRが社会にもたらす負荷を、データをもとに解説。AMRが社会にもたらすマイナスの影響は世界的に見て無視できない状況になっており、今後は日本固有のデータを用いて現状を正確に評価できるようになることが望ましいと話しました。

最後に登壇した同センター 情報・教育支援室長の藤友結実子先生は、薬剤耐性菌を作らず、広げないための対策について紹介。処方する側である医師向けのセミナーを行う一方、一般向けの啓発活動についても触れました。

「抗菌薬が風邪に効いた」は思い込み

「抗菌薬は風邪に効果がないことを知っている人は3割程度。知識が不足している人が多い」と語る藤友先生。「患者さんに薬の説明をする機会の多い、薬局や薬剤向けの資材も作成していきたい」とも。

「抗菌薬は風邪に効果がないことを知っている人は3割程度。知識が不足している人が多い」と語る藤友先生。「患者さんに薬の説明をする機会の多い、薬局や薬剤師向けの資材も作成していきたい」とも。

「風邪のときに抗菌薬(抗生剤)を飲んだらラクになった」と感じる人が一定数いることについて、藤友先生は「抗菌薬を飲むタイミングが、そもそも風邪が落ち着いてくる時期だからです」とばっさり。患者の多くが発熱の翌日~翌々日に医療機関を受診しますが、「風邪は2~3日目が一番つらく、4日目くらいから落ち着いてきます。自然経過でよくなってくる時期に抗菌薬をもらって飲むため、あたかも抗菌薬が効いたかのように錯覚しがちですが、風邪に抗菌薬は効果がありません」(藤友先生)。

薬剤耐性菌を増やさないためには、不必要なときに抗菌薬を飲まないことと、処方された抗菌薬は医師の指示どおりにきちんと飲み切ることが大切との話もありました。

今後も、啓発動画やイベントなどでAMRについて発信していくとのこと。感染症の流行に備えて、感染対策と同時に「AMR対策」も意識していきましょう。

●お問い合わせ
AMR臨床リファレンスセンター広報事務局(共同ピーアール内)
電話:03-6260-4856

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