
知って活かす「腸内細菌の新常識」(2) 腸内細菌と全身の健康との関わりが明らかになってきた今、大切なのは、その知識を毎日の暮らしにどう活かすかです。腸内細菌の構成は一人ひとり異なり、食事や運動、ストレスなどの生活習慣によっても変化します。腸内細菌研究の第一人者である辨野義己先生に、腸内細菌の多様性を保ち、健やかな体をつくるために心がけたいことを伺いました 。>>連載一覧はこちら
お話を伺った方
辨野義己先生

40代以降になると、食事の量や運動量、生活のリズムなども若いころとは少しずつ変わってきます。そうした変化は腸内細菌にも影響するのでしょうか。
「年をとったから腸内環境が悪くなる、という単純な話ではありません」と辨野先生。むしろ注目したいのは、加齢に伴うライフスタイルの変化です。運動量の低下や食生活の変化、さまざまなストレスを抱えることなどが腸内環境に影響し、腸内細菌の種類が減って“多様性”が失われる一因になるといいます。
多様性とは、さまざまな種類の腸内細菌が共存している状態のこと。腸内細菌の多様性や構成は、健康状態とも深く関わっていると考えられています。だからこそ辨野先生は「40代からは自分の腸内環境を意識して、ライフスタイルを見直すことが大切」と話します。
※辨野先生が考案したチェックシートを元に作成
腸の状態は便通だけを見ればよいわけではありません。何を食べ、どれくらい体を動かし、日々どの程度のストレスを感じているか。腸を入り口に自分の生活全体を振り返ることが、健やかな腸内環境を保つ第一歩になるのです。
では、具体的に何をすればよいのでしょう。辨野先生が腸内環境を整えるために挙げるのが、「運動5:食物繊維4:発酵食品1」という割合です。
「腸活」というと“何を食べるか”が注目されがちですが、辨野先生は運動も重視しています。特にすすめるのが「ウォーキング」。歩くことで腸腰筋や腸骨筋など、おなかの奥にあるインナーマッスルが使われ、それが腸の動きを促すことにもつながるといいます。いつも同じペースで歩くのではなく、速く歩いたり、ゆっくり歩いたりと速度に変化をつけるのもおすすめだそうです。

食事では、野菜、きのこ、海藻、穀物などから食物繊維をしっかり摂ること。そしてヨーグルトなどの発酵食品を取り入れることを意識します。とはいえ特定の食品だけに頼るのではなく、運動と食事を組み合わせて無理なく続けることが大切です。
辨野先生自身も、50代で生活習慣を大きく見直した経験を持ちます。当時は無類の肉好きで体重が80kg以上あり、中性脂肪値も高い状態だったそう。そこで食物繊維の多い野菜、ヨーグルト・乳酸菌飲料を積極的に摂るとともに、愛犬との散歩も含めて1日に2時間ほどのウォーキングを継続。2年間で約10kgの減量につなげたといいます。
そして最後に、これからの健康づくりの選択肢として注目したいのが「自分がどんな腸内細菌を持っているのかを知る」ことです。
近年は、便を調べることで腸内細菌の構成やバランスを知る検査も身近になってきました。ただし辨野先生が強調するのは、検査結果を知るだけで終わらせず、その先にどう活かすかということです。

「大切なのは、腸内細菌を調べること自体ではなく、その結果をもとに、自分に合った食事やライフスタイルを考えていくことです。腸を制することこそが健康寿命を延伸する鍵なのです」(辨野先生)。
腸内細菌の構成は一人ひとり違うからこそ、自分の腸の特徴を知り、食事や運動といった日々の習慣を見直すきっかけにする。腸内細菌を“知る”ことを、これからの健康づくりに“活かす”。そんな付き合い方が、健やかな未来の土台になりそうです。
自分が持つ腸内細菌の種類や特徴から、大腸がんや認知症といったさまざまな病気のリスクがわかる画期的な腸内細菌検査キット。腸内細菌叢(腸内フローラ)は性別や人種などによる違いを含め、一人ひとり異なるものです。「健腸ナビ®」は、そうした個人差を踏まえた分析モデルで、女性34疾病、男性31疾病のリスクを可視化。結果をもとにおすすめの食品も教えてくれます。
結果の詳しさに、「こんなことまでわかるのか」と驚くこと請け合い。健やかな未来のために、ぜひ“知って活かせる”腸内細菌検査を習慣にしてみませんか。
※サービスの利用に際し、WEBでの情報登録とアンケート回答が必要になります(パソコンやスマートフォンなどのインターネット環境が必要です)。結果はメールで通知された後に、マイページで確認することができます。また、家庭画報ショッピングサロンの特典として、印刷された冊子版のレポートを郵送でお届けいたします。取材・文/江山 彩 イラスト/PIXTA