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大きく変わる腸内細菌の現在地。認知機能や免疫力に関わり、がん治療に活かせる期待も

2026.09.08

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知って活かす「腸内細菌の新常識」(1) 近年、腸内細菌の研究は大きく進み、おなかの調子だけでなく肥満や糖尿病、さらには脳や免疫の働きなど、全身の健康と深く関わることがわかってきました。そんな腸内細菌の新たな可能性について、専門家とともに探る新連載がスタートします。初回は、50年以上にわたって腸内細菌を研究してきた辨野義己先生に、研究の歩みと腸内細菌の最新情報を伺いました。>>連載一覧はこちら


お話を伺った方
辨野義己先生

べんの・よしみ 一般財団法人辨野腸内フローラ研究所理事長。理化学研究所名誉研究員、十文字学園女子大学客員教授、日本微生物資源学会名誉会員。1948年、大阪府生まれ。酪農学園大学獣医学部卒業後、東京農工大学大学院を経て理化学研究所へ。農学博士。50年以上にわたり、腸内細菌の分類と生態に関する研究を続ける。

べんの・よしみ 一般財団法人辨野腸内フローラ研究所理事長。理化学研究所名誉研究員、十文字学園女子大学客員教授、日本微生物資源学会名誉会員。1948年、大阪府生まれ。酪農学園大学獣医学部卒業後、東京農工大学大学院を経て理化学研究所へ。農学博士。50年以上にわたり、腸内細菌の分類と生態に関する研究を続ける。


腸内細菌研究の進歩で見えてきた、全身とのつながり

「腸内細菌のほとんどは、大腸をすみかにしています」と辨野先生。大腸にすむ腸内細菌の多くは、酸素があると生育できない「嫌気性菌」です。大便1gには約1兆個もの細菌が存在するとされ、その種類は1000種を超えると考えられています。

今でこそ健康との関わりが盛んに語られる腸内細菌ですが、その研究は半世紀の間に大きく様変わりしてきました。

辨野先生が腸内細菌の研究を始めたのは1970年代。当時は大腸がんや潰瘍性大腸炎、クローン病など、大腸の病気と腸内細菌との関係を探ることが主な研究テーマでした。患者の大便を集め、そこにどのような細菌がいるのかを培養して調べる研究が中心だったといいます。



同じ時代、辨野先生の恩師である光岡知足先生(東京大学名誉教授)が提唱したのが「善玉菌」「悪玉菌」という考え方でした。当時は“腸内細菌=病気の原因になるもの”という認識が強く、腸内細菌の中に体に有用な働きをする菌もいるという発想は、病原菌しか扱わない医学界ではなかなか受け入れられなかったそうです。その後、辨野先生らは、一般の人にも腸内細菌の世界をわかりやすく伝えようと「腸内フローラ」という言葉を広めていきました。

専門用語である「腸内細菌叢」を一般の人にも親しみやすくするために用いられた言葉が「腸内フローラ」。由来は、顕微鏡で大腸の細菌叢を見ると、さまざまな菌が存在して花畑(フローラ)のようであることから。

専門用語である「腸内細菌叢」に一般の人にも親しみを持ってもらおうと用いた言葉が「腸内フローラ」。由来は、顕微鏡で大腸の細菌叢を見ると、さまざまな菌が存在して花畑(フローラ)のようであることから。

研究を大きく前進させたのが、1990年代から進んだ遺伝子解析です。それまでは培養できる細菌を中心に調べていましたが、遺伝子レベルで解析できるようになったことで、これまで捉えられなかったさまざまな腸内細菌の存在や働きが見えるようになりました。

そして21世紀に入ると、研究対象は大腸の病気だけではなく、肥満や糖尿病などへと拡大。さらに脳の機能にまで腸内細菌が関わっていることがわかり始め、研究領域は全身へと広がっています。

認知機能にも腸内細菌が深く関わる

なかでも近年、研究が進んでいるのが、腸と脳が互いに影響を及ぼし合う「腸脳相関」です。

脳腸相関のイメージ。腸内細菌が脳の働きや認知機能に影響を及ぼしている可能性が高い。

腸脳相関のイメージ。腸内細菌が脳の働きや認知機能に影響を及ぼしている可能性が高い。

腸と脳は離れた場所にありますが、辨野先生によれば、腸内細菌が関わって作られる物質などが血液を介して全身を巡り、脳の機能にも影響を与えることがわかってきたといいます。

辨野先生らは、腸内細菌などの微生物を持たない「無菌動物」と、微生物を持つ動物の大脳の成分を比較する研究も行っています。調べた196成分のうち38成分に体内微生物の有無による違いが見られ、脳の働きに関わるさまざまな物質にも差が確認されました。

さらに研究は、認知機能にも及んでいます。軽度認知障害(MCI)の人には特徴的な腸内細菌のパターンが見られることなどから、どのような腸内環境を保つことが認知機能の維持につながるのか、研究が進められています。また、睡眠の質やストレスと腸内環境との関係も注目されており、“脳の働きと腸内細菌”という視点は今後さらに重要になっていくと辨野先生は話します。

免疫を活性化し、がん治療にも活かせる可能性

もうひとつ、辨野先生が現在、力を入れているのが “免疫と腸内細菌”の研究です。辨野先生らは、「オプジーボ」などのがん免疫療法がよく効いた患者の腸内細菌を調べ、免疫を活性化する働きを持つ菌を発見しました。現在は、この菌をがん治療に活かすための研究が進められています。

腸内細菌が、がん治療の効果を高める一助になる可能性も示されつつあります。将来は、一人ひとりが持つ腸内細菌の特徴を知ることが、病気の予防だけでなく、より効果的な治療法を考える手がかりになる──そんな未来も現実味を帯びてきています。

かつては「善玉菌」「悪玉菌」という単純な分類で語られることが多かった腸内細菌。しかし今では、多種多様な細菌がそれぞれ異なる働きを持ち、私たちの全身と深く関わっていることが明らかになりつつあります。

「大腸は病気の発生源にもなりますが、腸内環境をコントロールできれば健康の発信源に変えることができます」(辨野先生)。そのカギを握るのは、日々の食事や運動などのライフスタイルです。次回は、年齢を重ねても健やかな腸内環境を保つために、40代から注目したい腸内細菌の“多様性”と、自分の腸を健康づくりに活かす方法を伺います。 

“調べて終わり”にせず、知って活かせる腸内フローラ検査「健腸ナビ®」

女性34、男性31もの病気のリスクがわかる腸内細菌検査は、国内唯一。自宅で採取した便を専用封筒で郵送し、スマートフォンでアンケートに回答するだけで、約●週間で結果が届きます。健腸ナビ® 3万8500円/シンバイオシス・ソリューションズ

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自分が持つ腸内細菌の種類や特徴から、大腸がんや認知症といったさまざまな病気のリスクがわかる画期的な腸内細菌検査キット。腸内細菌叢(腸内フローラ)は性別や人種などによる違いを含め、一人ひとり異なるものです。「健腸ナビ®」は、そうした個人差を踏まえた分析モデルで、女性34疾病、男性31疾病のリスクを可視化。結果をもとにおすすめの食品も教えてくれます。

健腸ナビ® のレポート内容。病気のリスク分析やおすすめ食品のほか、菌のバランスと多様性をふまえた総合評価、エクオール産生菌や酪酸菌の割合などもわかります。

健腸ナビ® のレポート内容。病気のリスク分析やおすすめ食品のほか、菌のバランスと多様性をふまえた総合評価、エクオール産生菌や酪酸菌の割合などもわかる。

結果の詳しさに、「こんなことまでわかるのか」と驚くこと請け合い。健やかな未来のために、ぜひ“知って活かせる”腸内細菌検査を習慣にしてみませんか。

※サービスの利用に際し、WEBでの情報登録とアンケート回答が必要になります(パソコンやスマートフォンなどのインターネット環境が必要です)。結果はメールで通知された後に、マイページで確認することができます。また、家庭画報ショッピングサロンの特典として、印刷された冊子版のレポートを郵送でお届けいたします。

●お問い合わせ
シンバイオシス・ソリューションズ
フォーム:https://kenchonavi.com/contact

●商品の購入に関するお問い合わせ
家庭画報ショッピングサロン 
フリーダイヤル:0120-032-412(無料)

取材・文/江山 彩 イラスト/PIXTA

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