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目覚めたときに「よく眠れた」と感じる「睡眠休養感」。睡眠は質も重視される時代【気になる医学用語】

2026.08.14

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【睡眠休養感】
朝、目覚めたときに「よく眠れた」と感じることが健康維持や病気の発症に関係する

[解説してくださる方]
名古屋市⽴⼤ 学⼤学院薬学研究科
神経薬理学分野 教授
粂 和彦先生
粂 和彦先生

くめ・かずひこ 東京大学医学部卒業、大阪大学大学院博士課程修了。立川相互病院で研修の後、東京大学助手、米国ハーバード大学・タフツ大学研究員、熊本大学発生医学研究所准教授を経て現職。日本睡眠学会睡眠医療指導医として睡眠障害外来を担当するほか、⽇本睡眠衛⽣推進機構理事、⽇本時間⽣物学会理事⻑を務める。著書に『脳がないのにクラゲも眠る 生物に宿された「睡眠」の謎に迫る』(朝日選書)など。

睡眠休養感が低いと、生活習慣病を発症しやすい

2024年に厚生労働省が公表した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」に、「睡眠休養感」という言葉が初めて登場しました。睡眠休養感は、目覚めたときに「よく眠れた」「しっかり寝た」「体がよく休まった」と感じることを指します。睡眠は、これまで主に量(時間)に関して注意喚起されてきましたが、睡眠休養感のような睡眠の質も重視されるようになっています。


名古屋市⽴⼤学教授の粂 和彦先生によると、睡眠休養感が高いと心血管疾患の発症率が下がること、逆に睡眠休養感の低下で肥満や糖尿病などの発症率が上がることが、最近の研究で明らかになったそうです。また、「高齢者では、8時間以上寝床にいて、かつ睡眠休養感が低い場合には、死亡リスクが上がると報告されています」。

ただ、深い睡眠の途中や夢を見ている最中に目覚めると睡眠休養感を低く感じるなど、睡眠休養感は目覚める直前の睡眠の状況に左右されるため、「臨床現場では、1週間あるいは1か月間という単位で評価します」と粂先生。

生活習慣を整え、睡眠にこだわりすぎない

睡眠不足、ストレス、就寝直前に食べる、朝食を抜く、運動不足、歩⾏速度が遅いなどの習慣が、睡眠休養感の低下に繫がります。睡眠休養感を上げるには、これらの習慣を避けることに加え、カフェインを午後遅め以降に摂らない、禁煙、過度の飲酒や寝酒をしないといったことにも注意したいものです。「室温が一定であることも大切で、冷暖房を弱くつけておき、長袖長ズボンで眠るのがおすすめです」。

もう一つ、粂先生は「睡眠へのこだわりを捨てることも重要」とアドバイスします。「90分の倍数の時刻が起きやすいというのは都市伝説です。また、6時間あるいは7時間続けて眠らなければならないのに中途覚醒して二度寝してしまうと悩む方が多いのですが、分割睡眠が悪いというエビデンスはありません」。

今年6月から医療機関が看板や広告で診療科名として「睡眠障害」を表示することができるようになりました。また、不眠症に対する認知行動療法用のアプリが承認され、販売が始まりました。睡眠に関する治療薬の種類も少しずつ増えています。

粂先生は、「眠れないことで日中の活動がうまくいかない、パフォーマンスが落ちると感じている場合や、いびきや寝ぼけがひどい、脚がむずむずして眠れないといった異常がある場合は睡眠障害内科などを受診してください」と話しています。

「健康づくりのための睡眠ガイド2023」に掲載されている睡眠に関する推奨事項

成人
●適正な睡眠時間には個人差があるが、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する。
●食生活や運動等の生活習慣、寝室の睡眠環境等を見直して、睡眠休養感を高める。
●睡眠の不調・睡眠休養感の低下がある場合は、生活習慣の改善を図ることが重要であるが、病気が潜んでいる可能性にも留意する。

高齢者
●長い床上時間は健康リスクとなるため、床上時間が8時間以上にならないことを目安に、必要な睡眠時間を確保する。
●食生活や運動等の生活習慣、寝室の睡眠環境等を見直して、睡眠休養感を高める。
●長い昼寝は夜間の良眠を妨げるため、日中の長時間の昼寝は避け、活動的に過ごす。

●健康づくりのための睡眠ガイド2023
https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf

●Good Sleep ガイド(ぐっすりガイド)
高齢者版 https://www.mhlw.go.jp/content/001288007.pdf
成人版 https://www.mhlw.go.jp/content/001288005.pdf
こども版 https://www.mhlw.go.jp/content/001288006.pdf

連載「気になる医学用語」の記事一覧はこちら>>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2026年08月号

家庭画報 2026年08月号

取材・文/小島あゆみ

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