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治療に悪影響を及ぼす口腔トラブル。がんになったからこそ歯科のケアで口の清潔を保つ

2026.05.25

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QOLを高めるがんサポーティブケア 第6回(前編)歯周炎・歯周病など口の中の状態ががん治療中に種々の悪影響を及ぼすことが明らかになり、がん治療前から歯科治療や口腔ケアのサポートが行われるようになりました。今回は発症頻度の高い口腔トラブルを中心に対策を紹介します。

口腔トラブルのサポート

[解説してくださる方]
国立がん研究センター 中央病院 歯科 歯科医長
上野尚雄先生

うえの・たかお 1997年、北海道大学歯学部卒業。歯学博士。同大学第一口腔外科に入局。静岡県立静岡がんセンター歯科口腔外科を経て、2008年より国立がん研究センター中央病院歯科に所属。12年より現職。専門はがん治療における歯科支持医療。日本がんサポーティブケア学会粘膜炎部会部会長。

うえの・たかお 1997年、北海道大学歯学部卒業。歯学博士。同大学第一口腔外科に入局。静岡県立静岡がんセンター歯科口腔外科を経て、2008年より国立がん研究センター中央病院歯科に所属。12年より現職。専門はがん治療における歯科支持医療。日本がんサポーティブケア学会粘膜炎部会部会長。

口腔トラブルは食べる機能や話す機能にも支障をきたす

治療に伴う合併症や副作用を予防し、がんの治療が問題なく継続できるように、治療の予定が決まったら体調や持病の管理などを行うことが一般的になってきました。口の中のお手入れもその一つです。

医科歯科連携を含め、この分野の診療や支援を切り拓いてきた上野尚雄先生は「治療による副作用が口の中に高率に発症することはよく知られています。例えば、薬物療法を受ける患者の約3割に、血液がんの治療法の一つである造血幹細胞移植を受ける患者の約8割に、そして放射線療法を受ける患者のほぼ全員に口の中の副作用が起こります」と説明します。


がん治療による口腔トラブルは意外に多く、食べる機能、話す機能に影響を与える

上野尚雄先生への取材および提供資料をもとに作成

上野尚雄先生への取材および提供資料をもとに作成

表のように治療ごとに特徴的な症状が出現し、なかでも発症頻度が高いのは口腔粘膜炎(がん治療で起こる口内炎)です。

「口腔粘膜炎が発症する時期と免疫機能が低下する時期が一致することも少なくないため、一般的な口内炎とは異なり、口全体に炎症が広がっていきます。そのため、口の中のあちこちがただれて痛くなり“食べる機能”や“話す機能”に支障が出ます。特に思うように食べられなくなるのは体力だけでなく、気持ちの面においてもマイナスの影響を与えるため、治療そのものを続けることがつらくなってきます」と上野先生は指摘します。

がん治療開始前に歯科治療や口腔ケアを受けるのが一般的に

さらに、やっかいなのは歯周炎などの感染巣が元々あると、免疫機能が低下する薬物治療中に全身感染症の原因になるおそれがあることです。薬物療法を受けている患者の発熱の原因を調べてみると、その感染源として口腔・咽頭のリスクが高いことがわかっています。

「口の中には300~700種類の細菌が存在し、歯をよく磨く人でも1000億~2000億個もの細菌が棲息しているといわれます。健康なときはおとなしくしていても、がん治療が始まって免疫機能が低下した途端に大暴れする細菌もいて、それらが口から体内に侵入すると全身感染症を引き起こし、治療の休止に追い込まれることもあります」

こうした口の中の状態が及ぼす影響が明らかになってきたことから、がん治療開始前に必要最小限の歯科治療(痛みがある歯や腫れている歯肉の応急処置、ぐらつく歯の固定や抜歯など)や口腔ケア(歯石除去や粘膜ケアなど)に取り組まれるようになったのです。

(次回へ続く。)

連載「がんサポーティブケア」の記事一覧はこちら>>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2026年06月号

家庭画報 2026年06月号

取材・文/渡辺千鶴

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