漢方薬メーカーとして知られるツムラ主催のトークイベント「ざぶんの幸せ湯ばなしの会」が2026年3月26日(木)、東京・有明で開催されました。
「こころとからだの養生」をテーマに、作家の林 真理子さんはじめ豪華なゲストのみなさんと、お風呂に入る幸せや日本のお風呂文化の素晴らしさについて改めて考えました。
イベントは二部構成。第一部は温泉療法の専門医・早坂信哉先生による「お風呂講座」、第二部は、作家の林 真理子さん、漫画家の辛酸なめ子さん、放送作家で湯道文化振興会代表理事の小山薫堂さん、ツムラ代表取締役社長CEO・加藤照和さんの4名によるトークセッション「ざぶんの幸せ湯ばなしの会」が開催されました。
当日は先着応募で集まった約100名が参加。登壇したゲストの方々との距離も近く、笑いが絶えない、まるで湯船に浸かっている時のようなリラックスした会でした。
左からツムラの加藤照和社長、林 真理子さん、辛酸なめ子さん、小山薫堂さん
──素晴らしい日本のお風呂文化を、若い人にも、海外の人にも、すべてのみなさんに今改めて伝えたい──
漢方薬のイメージが強いツムラですが、実は、日本で初めて入浴剤を発売した会社でもあります。ツムラの前身である津村順天堂が1893年に、婦人良薬「中将湯」を発売。この薬を製造する過程で出た生薬の切れ端を使った「浴剤中将湯」が1897年に誕生し、これが日本初の入浴剤として銭湯などで親しまれたそうです。
こうした歴史の中で、創業者の意思を引き継ぎ「本物志向で、科学的根拠のしっかりした入浴剤を世に出したい」という思いから、1975年には薬用の生薬入浴液(医薬部外品)が誕生しました。
こうしたお風呂とつながりの深いツムラが、なぜ今このイベントを開催したのか。加藤照和社長はこう話します。
──日本人は昔から、「お風呂で一日の汚れを洗い流して、きれいになって床に就く」という世界から見ても素晴らしいお風呂文化を持っています。しかし、もしかすると「お風呂に入ること」は生活の中で当たり前のことすぎて、この文化の素晴らしさに我々日本人が気づいていなかったり、忘れてしまっていたりするかもしれません。昨今「風呂キャンセル界隈」という言葉が話題になっていたりもしますよね。そんな中で、
日本の素晴らしいお風呂文化を、若い人にも、海外の人にも、すべてのみなさんに今改めて伝えたい、この思いで今回のイベントを開催しました。
第一部 温泉療法の専門医・早坂信哉先生による「お風呂講座」
イベントは、東京都市大学教授で医学博士の早坂先生による「お風呂講座」からスタート。
入浴と健康、そして日々の養生について長年研究をしてこられた先生から、こころとからだを養生するためにお風呂はなぜよいのか、そしてお風呂の正しい入り方について教えていただきました。
東京都市大学教授の早坂先生
早坂先生は25年以上にわたり、延べ約7万人を対象にお風呂と健康の関係性に関する調査をされてきた実績を持ちます。生活習慣としてお風呂に入ることが当たり前の日本でだからこそ、大規模でかつ長期間の追跡研究が実施できたのだそう。そして近年、これらの研究により湯船に浸かることで得られる本当の健康効果がわかってきました。
湯船に浸かる頻度が週に2回以下の人に比べて、週7回以上の人は「介護状態になるリスクが29%低い」、毎日湯船に入る人はそうでない人に比べると「うつ病のリスクが24%、認知症の発症リスクが26%低い」など驚きの研究結果が次々と紹介されていきます。脳卒中、心筋梗塞のリスクを減らし、糖尿病のコントロールにも寄与するなど、湯船に浸かることで、身体的にも精神的にもさまざまな病気のリスクを引き下げることがわかってきました。
ではなぜ、お風呂はこころとからだによいのか? さまざまなメリットがありますが、代表的なものとして
「温熱作用」により血流がよくなることがあげられます。
体が温まると血管が広がり、血流がよくなります。血液が流れることで、人体を作るおよそ37兆個の細胞、それぞれの活動により生まれた二酸化炭素や老廃物を流し去ることができ、疲労の回復や古い細胞が新しく生まれ変わるために効果的なのだそうです。
そして、この温熱作用はシャワーではほぼ得られず、湯船にしっかり浸かることでこそその恩恵を得られるそうです。
では、どのようにお風呂に入ればよいのか。講座の後半では、今日から誰でも実践できる医学的に正しい、健康になれる入浴法を教えていただきました。