• TOP
  • 健康
  • 総合
  • 50代はウォーミングアップ、60代は100歳への出発点。菅沼安嬉子先生が教えるライフプランの描き方

総合

50代はウォーミングアップ、60代は100歳への出発点。菅沼安嬉子先生が教えるライフプランの描き方

2026.04.17

  • facebook
  • line
  • twitter

【後編】80代は“人生最後の自由な10年”。その質は50代からの過ごし方で決まる──。そう語る82歳の現役内科医・菅沼安嬉子先生に、100歳まで心も体も元気でいるための心構えを教えていただきました。

年代別のポイントと菅沼先生の人生クロニクル

50代 人生を充実させるためのウォーミングアップ

50代
人生を充実させるためのウォーミングアップ

体力的にもまだまだ元気で、エネルギーも十分にある50代。人生後半をどう過ごすかを見据え、“第二の人生”に踏み出す準備を始めるのにふさわしい時期です。

ポイントは、更年期とアフター更年期をいかに上手に乗り越えるか。閉経を迎えてエストロゲンが減少するとコレステロール値が高くなりやすく、骨密度も低下していきます。50代のうちに、60代以降の肉体の衰えをできるだけ食い止めるための生活習慣を身につけましょう。

50代

更年期の乗り越え方

大豆イソフラボンなど、女性ホルモンに似た作用のある成分を含む食品をとりましょう。運動はセロトニンなどのホルモン分泌を活性化させ、イライラやうつを抑制する効果が。強いストレスを感じるとエストロゲンがさらに減少しがちなので、軽い運動で発散を。

がん予防をスタート
50代以降、がんの罹患率は右肩上がりになります。定期的に検診を受けるのはもちろん、初期の症状を頭に入れておき、気になることがある場合は早めに受診を。また、紫外線などの発がん物質を避け、塩分や高カロリー食などのがん促進物質もなるべく控えめに。

高校で教鞭をとる 教員免許を取得し、42歳から57歳まで母校・慶應義塾女子高等学校で保健授業の講師を務め、人生に必要な医学の知識を教えました。教え子は約3000人にのぼり、今でも交流が続く人も。

教員免許を取得し、42歳から57歳まで母校・慶應義塾女子高等学校で保健授業の講師を務め、人生に必要な医学の知識を教えました。教え子は約3000人にのぼり、今でも交流が続く人も。

60代
100歳までハツラツと生きるための出発点

還暦を過ぎたら、いよいよ“人生の第二ステージ”がスタート。70代以降も健康に過ごすための体のケアと、心を豊かにする生きがい探しが、この年代のテーマです。体と心のフットワークをよくするには、「骨密度と筋肉を落とさない」が合言葉。

また、食生活の見直しや運動など、生活習慣病対策を実行し、人間ドックで定期的にチェックしましょう。親や配偶者の介護に直面したら、ストレスをためすぎないよう工夫を。

60代
生活習慣病を予防する

閉経によって女性ホルモンが減少すると、糖尿病、高血圧、脂質異常症などにかかるリスクが高まります。生活習慣病を防ぐには、食生活の見直しと適度な運動が不可欠。また、今後を見据えて、なんでも相談できるホームドクターも探しておきましょう。

親や配偶者の介護と向き合う
介護はある日突然、始まることがあります。可能であれば介護が始まる前に、兄弟姉妹や親と、方針を話し合っておくのが理想です。大事なのはひとりで抱え込まないこと。家族介護はここまでと決めないと、生活が破綻したり、ストレスで体調を崩しかねません。

最愛の夫の介護 5歳上の夫がレビー小体型認知症を発症。当初は尊敬する夫の変化がなかなか受け入れられず、ストレスから体調を崩しました。仕事をしながらの自宅介護に限界を感じ、療養型の病院でプロの手を借りながら寄り添いました。

5歳上の夫がレビー小体型認知症を発症。当初は尊敬する夫の変化がなかなか受け入れられず、ストレスから体調を崩しました。仕事をしながらの自宅介護に限界を感じ、療養型の病院でプロの手を借りながら寄り添いました。

70代 これからの30年を輝かせるための時間

70代
これからの30年を輝かせるための時間

いかに充実した70代を過ごすかが、その後の人生を大きく左右します。健康管理をしつつ、なにか熱中できそうなことを見つけましょう。新しく勉強や習い事を始めるのもおすすめですし、できればそれに加えてボランティア活動など、人の役に立つことにも目を向けましょう。

「社会の役に立っている」という思いは達成感をもたらし、そのことがエネルギーの源になりますし、社会との接点を持つことで心も体も若返ります。

70代
幸せホルモンを増やす

幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを増やすコツは、朝日を浴びる、腸内環境を整える、リズミカルな運動をする、ビタミンB⁶の摂取の4点。オキシトシンを増やすには、楽しいおしゃべりや五感を刺激すること、スキンシップなど。エステやマッサージも効果があります。

検診と認知症予防が鍵
70代になると、病気にかかる確率が高くなります。自治体の検診だけではなく、健康のための投資と思い、できれば腹部CTや脳ドックも加えましょう。認知症対策としては、悪玉コレステロールを減らす、難聴対策を行う、社会との接点を失わないことが重要です。

“女性で初めて”の道を拓く 女性初の慶應医学会の評議員に。77歳のとき、慶應連合三田会の会長に女性で初めて就任し、約3年半務めました。引き受けたのは、後に続く女性たちのため。前年に夫を亡くして落ち込んでいましたが、使命感のおかげで立ち直ることができました。

女性初の慶應医学会の評議員に。77歳のとき、慶應連合三田会の会長に女性で初めて就任し、約3年半務めました。引き受けたのは、後に続く女性たちのため。前年に夫を亡くして落ち込んでいましたが、使命感のおかげで立ち直ることができました。

80代
まだまだ元気、ワクワクすることを探す

いよいよ、人生の総仕上げの時期です。人は「やるべきこと」「やりたいこと」があると、エネルギーが湧いてきます。これまでの人生経験の積み重ねと、60代、70代で新たに始めたことや学んだことを組み合わせたら、きっと思いがけない人生の扉が開くはず。「さあ、人生これからが本番」の心意気で、日々を謳歌しましょう。さまざまな経験を積んできた分、きっと広い視野を持てるはず。社会における新しい使命感を持つこともあるでしょう。

80代
フレイルに負けない

心身の機能が落ちるフレイルを防ぐには、週に3回ほど体を動かして筋力を低下させないことと、他人との接点を保つことが大事。シニア向けのダンス教室などで音楽に合わせて体を動かしたり、ゴルフやゲートボールなど試合があるものは脳と体の両方に効きます。

転倒、骨折を予防
80代になると、転倒・骨折をきっかけに急激に弱る人が増えます。外出時には転びにくい靴を履き、「歩く」ことに集中を。ビタミンDやカルシウムを意識的に摂っても骨密度が下がる場合があるので、医療機関で骨密度を測り、必要に応じて治療を受けましょう。

医療の現場に立つ 地域医療に貢献するため、27歳のときに夫と始めた「菅沼三田診療所」で今も副院長を務め、週に1回、診療を行っています。老年医学が専門の長女、院長を務める外科医の長男、診療所のスタッフたちも仕事における心強いパートナーです。

地域医療に貢献するため、27歳のときに夫と始めた「菅沼三田診療所」で今も副院長を務め、週に1回、診療を行っています。老年医学が専門の長女、院長を務める外科医の長男、診療所のスタッフたちも仕事における心強いパートナーです。

この記事の掲載号

『家庭画報』2026年05月号

家庭画報 2026年05月号

撮影/本誌・大見謝星斗 イラスト/岡田知子 取材・文/篠藤ゆり

  • facebook
  • line
  • twitter

12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2026 / 04 / 17

他の星座を見る

Keyword

注目キーワード

Pick up

注目記事
12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2026 / 04 / 17

他の星座を見る