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1日5食で血糖値が安定。夜間と日中の「食べ方の工夫」が認知症を遠ざける

2026.04.22

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医師が教える認知症予防マニュアル(3) 現在、認知症患者はおよそ700万人いるといわれ、その数は増え続けています。この連載では、長年にわたって認知症患者の治療に当たってきた医師の今野裕之先生の著書『ボケたくなければ「寝る前3時間は食べない」から始めよう』(世界文化社)より、認知症の正しい情報と、予防につながる実践的な方法をお伝えします。


“寝る前3時間の食事”が健康をおびやかす

前回は、寝る前に食べることで起こる健康リスクについてお伝えしました。今回は、「寝る前3時間は食べない」ための具体的な生活スタイルや食べ方についてご説明します。

「ファスティング(断食)」という言葉を聞いたことはありませんか?1日12〜16時間の空腹時間を取ることで、細胞中の老廃物などを分解する「オートファジー」という機能が働いたり、「長寿遺伝子」が活性化したりといった変化が起こるとされます。

寝る前3時間はものを食べないようにすると、睡眠中と起床後の時間を合わせて12時間のファスティングが可能になる。

寝る前3時間はものを食べないようにして7~8時間の睡眠をとると、睡眠中と起床後の時間を合わせて12時間のファスティングが可能になる。

オートファジーと長寿遺伝子の活性化は、どちらも認知症の予防に有効であり、そのために一定以上の長さのファスティングは重要です。

寝る前の3時間は食べないようにして7〜8時間眠ると、翌朝起きたときにはすでに10〜11時間もファスティングができています。起床後に水やお茶で水分を摂りつつ1〜2時間後に朝食をとれば、12時間程度の“食べない時間”が作れます。寝る前の3時間に食べないだけで、無理なく“脳のゴミを取り除く深い睡眠”が得られて、さらにファスティングによる体の若返りも期待できるのです。


ただし、極端な方法は健康を損ねるので、ファスティングを本格的に行うなら医師や専門家の指導のもとで行うようにしてください。

昼は「ちょこちょこ食べ」が正解

夕食をとってから朝ごはんを食べるまでは12時間空けるのが理想です。その一方で、昼はいつ食べてもかまいません。

「寝る前3時間は食べない」がうまくできない人がいるとすれば、理由の1つに“1日3食にこだわることで日中のエネルギー摂取が足りていない”可能性があります。3食で足りないなら、4食や5食でもよいのです。もし1日5食にするなら、夜から朝の食事は12時間空けて、朝から夜は2~3時間ずつ空けてちょこちょこ食べるとよいでしょう。

夜から朝にかけては何も食べない時間を作る一方、昼間は2~3時間起きに少量を“ちょこちょこ食べ”すると、血糖値の上昇を防ぐことができる。

夜から朝にかけては何も食べない時間を作る一方、昼間は2~3時間おきに少量を“ちょこちょこ食べ”すると、血糖値の上昇を防ぐことができる。

逆に、忙しいからと朝や昼を抜き、1日1~2食ですませると、夜にたくさん食べることになりがちです。1日分のエネルギーをまとめて摂ろうとすると食事量が増え、糖質も一気にたくさん摂ることになるので、食後の血糖値が上昇しやすくなり、インスリンが分泌されても効きにくくなる「インスリン抵抗性」がつきやすくなります。

血糖値を急激に上げないためには、少なめの量を少しずつ、数回に分けて食べること。食事をする時間はできるだけ朝から夕方までの8時間、長くても12時間以内に収めましょう。

認知症を防ぐために摂るべき食品

長寿遺伝子は飢餓状態になると活性化され、老化を促進する遺伝子の多くはインスリンによって活性化されます。このように老化を抑える遺伝子、老化を悪化させる遺伝子のどちらの働きにも、食生活が関連するということは確かです。老化を抑えて認知症を予防するために、下記のような食品を毎回の食事に取り入れましょう。

葉物野菜
βカロテンやビタミン、食物繊維が多く、食事の最初に摂ると血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待できるほか、認知症予防が期待される葉酸も多く含む。葉酸は水に溶けるので、煮汁ごと食べられる味噌汁やスープにするのがおすすめ。

きのこ
食物繊維が豊富で、腸内環境の改善や生活習慣病予防、認知症の一つである脳血管障害の予防につながる。さらに、きのこに含まれるビタミンDの欠乏が、認知機能低下や認知症発症のリスクになることがわかってきている。

大豆製品
たんぱく質は脳の働きを調整する神経伝達物質の合成に欠かせない栄養素であるものの、赤身肉の食べすぎは認知症のリスクになるといわれる。たんぱく質は豆腐や納豆、おから、高野豆腐、油揚げといった、低カロリーで消化のよい大豆たんぱく食から摂るとよい。


魚に含まれるオメガ3脂肪酸のDHAやEPAには抗酸化作用、抗炎症作用があり、特にDHAには「脳のゴミ」を防ぐ作用があるとされる。DHAは熱に弱いので生食か、煮魚や煮こごりで汁ごと食べるといった調理法がおすすめ。

なお、糖質の摂りすぎはよくありませんが、自己流できつい糖質制限を行うと低血糖になったり、脂質を摂りすぎて生活習慣病のリスクが高くなったりする可能性が。糖質を摂るときは、コース料理のように野菜から食べると血糖値の急上昇を抑えられます。また、パンやパスタにはオリーブオイルを合わせる、塩分の少ないチーズをのせるなど、脂質やたんぱく質と一緒に糖質を摂ると、糖の吸収が抑えられます。

次回は、認知症の発症にかかわる悪玉物質を取り除く栄養素についてお伝えします。


今野裕之先生

こんの・ひろゆき 医療法人社団TLC 医療会 ブレインケアクリニック名誉院長。一般社団法人日本ブレインケア・認知症予防研究所所長。博士(医学)・精神保健指定医・精神科専門医・日本抗加齢医学会認定専門医。日本初のリコード法(アルツハイマー型認知症の治療プログラム)認定医。順天堂大学大学院卒業。日本大学医学部附属板橋病院、薫風会山田病院などを経て、2016 年ブレインケアクリニックを開院。リコード法を導入し、一人ひとりの患者に合わせた診療を行っている。また、認知症予防・治療に栄養療法を取り入れている。

認知症診療医が、誰でもすぐにできて続けられる認知症予防のコツをお伝え 『ボケたくなければ「寝る前3時間は食べない」から始めよう』

『ボケたくなければ「寝る前3時間は食べない」から始めよう』

アルツハイマー型認知症の原因物質と考えられているアミロイドβなどを除去するには、質のよい睡眠が大切です。「寝る前3時間は食べない」習慣が深い眠りを導く仕組みを、わかりやすく解説。さらに、食事のとり方や簡単な運動など、つらくないから続けられる“脳にいい”習慣をご紹介します。 

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構成・編集協力/南雲つぐみ 図版作成/春日井智子

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