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がんによる体重減少が孤立やQOL低下を招く。早期に気づいて集学的治療を

2026.03.27

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QOLを高めるがんサポーティブケア 第4回(前編)がん患者が悩まされる体重減少の背景には「がん悪液質」といわれる病態があり、最近は「カヘキシア」とも呼ばれます。食べていても体重が減ってくるのが特徴で、治療や生命予後、QOLにも深刻な影響を与えるため、放置しないことが大切です。

がん悪液質(カヘキシア)のケア

[解説してくださる方]
静岡県立静岡がんセンター
呼吸器内科医長 支持療法センター長
内藤立暁先生
ないとう・たてあき 1997年、浜松医科大学卒業。同大学医学部第二内科などを経て2008年より現職。がん悪液質研究の第一人者としてハンドブックの作成や治療薬の開発に携わる。20年より国際がんサポーティブケア学会 栄養と悪液質部会副議長。24年、同学会理事に選出され世界でも活躍。日本がんサポーティブケア学会理事。

ないとう・たてあき 1997年、浜松医科大学卒業。同大学医学部第二内科などを経て2008年より現職。がん悪液質研究の第一人者としてハンドブックの作成や治療薬の開発に携わる。20年より国際がんサポーティブケア学会 栄養と悪液質部会副議長。24年、同学会理事に選出され世界でも活躍。日本がんサポーティブケア学会理事。

がん悪液質の代表的な症状は「体重減少」と「食欲不振」

がんになるとやせてしまう人が一定数いて、「意図しないやせ」は、がんの初発症状の一つだといわれています。がんによる体重減少に詳しい内藤立暁先生は「その要因は主に2つに分けられます。一つは食べられなくなってやせるもので“飢餓”と呼ばれます。もう一つは食べているのにやせるもので“がん悪液質”と呼ばれています」と解説します。

このうち悪液質は、がんに限らず心臓病や腎臓病、結核などの慢性疾患にもみられます。終末期になると、だんだんやせてきて身体活動が低下し、寝たきりになっていくような状態を表しています。


「この病態は古くから知られており、古代ギリシャでは心臓病などの終末期に現れるやせを“カヘキシア”と呼び、死の兆候としてとらえていました。また、日本では同様の状態を“虚労”と呼んで、結核などの慢性疾患によるやせと衰弱を表していました」と内藤先生は、その長い歴史を紐解きます。

悪液質の中でもがん患者さんに生じるものを「がん悪液質」と呼んでおり、終末期だけでなく初期の段階から心身にさまざまな症状が出現します(図)。なかでも代表的な2大症状が「体重減少」と「食欲不振」です。

代表的な症状は「体重減少」と「食欲不振」

『がん悪液質ハンドブック』日本がんサポーティブケア学会ほか 監修を参考に作成

『がん悪液質ハンドブック』日本がんサポーティブケア学会ほか 監修を参考に作成

筋量の減少で身体機能が衰え、日常生活のQOLも低下する

「悪液質によって体重が減少したとき、脂肪、筋肉、骨、水分で構成される体組成のうち、特に筋肉が減っていくことがわかっています」と内藤先生は指摘します。

筋肉が減ると、疲れやすくなったり長く歩けなくなったりすることが起こってきます。身体機能が低下することで外出するのも大変になり、仕事や趣味を続けられなくなることもあります。また、風邪をひいても治りにくく、こじらせてしまって抗がん剤などの薬物療法が継続できないようなこともみられます。

「体重減少による外見的変化の影響も深刻で社会的孤立を生み出します。人との交流を避けるために仕事や趣味もやめて家にひきこもりがちになり、さらなる身体機能の低下を招くといった悪循環に陥っていきます」

一方、食欲不振は、少しでも食べて体重を増やしてがんを克服してほしいと願う家族と、食べてもやせていく、食べたくても食べられないといったジレンマを抱える患者さんとの対立要因になることがしばしばあります。

(次回へ続く。)

連載「がんサポーティブケア」の記事一覧はこちら>>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2026年04月号

家庭画報 2026年04月号

取材・文/渡辺千鶴

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