〔特集〕正しく知れば怖くない 認知症の「新常識」 50代を迎え人生の折り返し地点を通過。親も高齢になり、「認知症」が身近な問題として徐々に存在感を増してきました。今、私たちが取り組むべきは、認知症を正しく理解し、恐れず、効果的な予防法に努め、適切な医療を求めること。まずは、ありがちな誤解や思い込みを改め、正しい知識を“新たな常識”として身につけることから始めましょう。
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認知症検査の近未来
低侵襲(ていしんしゅう)・低コストで兆候を検出「血液バイオマーカー」への期待
[お話を伺った方]
名古屋大学糖鎖生命コア研究所
特任教授
中村昭範(なかむら・あきのり)先生
国立長寿医療研究センターで認知症の早期診断や病態把握に役立つバイオマーカーの開発に従事。2025年より現職。
「アルツハイマー病の治療がより早い段階でアミロイド蓄積を検出して発症を遅らせる方向に発展することが予測される中、より多くの人に低侵襲かつ低コストで行える検査方法として大きな期待を寄せられているのが血液バイオマーカーです」と中村昭範先生は話します。
2014年、中村先生たちは島津製作所との共同研究で、血液中のアミロイドβ42などを精密に測定することにより、脳内のアミロイド蓄積を高精度に検出できることを示しました。
この研究をきっかけに国内外で血液バイオマーカーの開発が活発化し、有望な指標がいくつか見つかっています。そして、その検出率は脳脊髄液検査やPET検査の精度にかなり近づいてきました。
「米国食品医薬品局で検査試薬が承認されるなど血液バイオマーカーの実用化が目前に迫っています。将来、予防医療の分野でアルツハイマー病のスクリーニングマーカーとして活用されることも期待されています。健康診断や人間ドックの血液検査でアミロイド蓄積を調べ、生活習慣病のように無症状のうちからアルツハイマー病の発症予防に取り組むことが当たり前の未来になるかもしれません」。
(次回に続く。
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