
寒さから解放され、桜の開花や新緑が芽吹く明るいイメージの春。一方で、メンタルヘルスに不調を抱える人が増える季節ともされています。
「さまざまな変化の季節である春は、心身の調子を崩す人が増えます」と話すのは、石原新菜先生。

「春は寒暖差が大きく、天気も周期的に変化します。こうした気温・気圧の変化が自律神経を乱れさせ、心と体を疲れさせます。また、仕事や学校などで環境が変わることも多い季節。自覚はなくても、新しい職場や人間関係のなかでストレスを感じ、心身のエネルギーを消耗している人は少なくありません。春はメンタルの調子を崩しやすいシーズンなのです」
また、東洋医学で、春は五臓の「肝」の季節といわれます。肝は全身の気の流れをつかさどり、血の流れを調節して血を貯める役割を果たし、西洋医学の自律神経に例えられることもあります。
気分の浮き沈みは男性より女性に起こりやすいというデータもあります。
厚生労働省「女性のうつ」
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/depression.html
「この連載でも何度もお伝えしているように、女性はホルモンバランスの変化によって、心身にさまざまな変化を感じます。加えて、ライフステージごとに立場や求められる役割が変わるなど女性特有のストレスがあり、それが余計に不調を悪化させることも。特に40代以降の女性はホルモンのゆらぎが大きくなるので、心と体の調子を崩しやすくなります」(石原先生)
なお、東洋医学では、更年期の女性に現れるのぼせや発汗、イライラなどの異変を「昇症(しょうしょう)」と呼びます。

「月経がある女性は子宮と卵巣の働きが活発なため、下半身に血流が行きわたっています。しかし、閉経するころになると、これまで下半身に集まっていた血液が上半身に上がってきてしまい、のぼせや発汗、イライラなどの症状が出ると考えます。顔や上半身からは汗が噴き出す一方、手足は冷えているのが昇症の特徴です」(石原先生)
心身のバランスを整えるには、肝をいたわって気と血の巡りをよくすることが大切。次回は、イライラや不安感を軽減するセルフケアについてお伝えします。
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