
また、冷え性の人には明け方に目が覚めてしまう早朝覚醒が多いとも。現代人に多い運動不足やストレスも、睡眠トラブルの原因になります。
「デスクワークの人の場合、目と頭はすごく疲れているのに体は動かしていないことが多いですよね。眠るためにはある程度の疲労感が必要なので、運動不足は不眠につながります。また、布団に入ってからあれこれ考えてしまい寝つけないケースも。仕事や人間関係の悩み、心配事やトラブルなどがあると、自律神経のバランスが乱れて眠れなくなります」(石原先生)
さらに、寝る前にスマホやパソコンを見ることも睡眠トラブルの原因に。画面から発生するブルーライトによって交感神経が優位になり、眠りづらくなります。
「ブルーライトは太陽光にも含まれるので、ブルーライトそのものが悪いわけではありません。私たちは日中に太陽の光を浴び、夜は暗い環境で過ごすことで体内時計のリズムを整えています。しかし、夜にブルーライトを浴びると、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されて体内時計が乱れ、不眠や眠りの浅さにつながります」(石原先生)
「若いころのように眠れなくなった」という声もしばしば耳にします。
「メラトニンの材料となるのはセロトニンという脳内物質です。このセロトニンの分泌量は加齢とともに低下していくため、年を重ねるにつれて眠れる時間が短くなったり睡眠の質が下がったりするのです」(石原先生)
ちなみに、セロトニンの分泌量は10歳前後の子どもで最も多く、その後は加齢とともに減っていきます。特に更年期以降の女性は、セロトニン分泌を助ける女性ホルモンのエストロゲンが減るため、セロトニンの減少が顕著に。
「セロトニンは心の安定に不可欠な物質でもあるので、分泌量が低下するとメンタル不調にもつながります。セロトニンが増えれば、睡眠の質の改善はもちろん、やる気が出て気持ちが前向きになります」(石原先生)
年齢とともに眠りづらくなることは事実ですが、生活習慣などの見直しで対策はできそうです。
*次回は、眠りの悩みを改善する方法についてお伝えします。
写真/PIXTA