自律神経を活性化し血流アップ 温冷刺激で脳疲労をスッキリ洗い流す 若い世代でブームとなったサウナの「ととのい」体験。実は、自律神経の働きが衰えがちな中高年女性にこそ、心身をリセットし健やかさを取り戻す健康法として今、注目されています。・
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サウナの基本サイクルを守って「ととのう」感覚に到達する
サウナで脳疲労をしっかり取るには「ととのう」という感覚に到達することが肝心。サウナ室→水風呂→休憩の順番をきちんと守りましょう。
サウナの安全な入り方
・事前にしっかり体調チェック
・水分をたっぷり補給する
・無理せず短時間から
・水風呂は20秒〜1分でOK
・初心者は休憩を長めにとる
ととのう準備段階として、サウナ室では交感神経をしっかり活性化させます。自律神経を直接コントロールすることはできませんが、呼吸の仕方によって間接的なコントロールは可能です。息を吸うときは自分の体に任せ、息を吐くときにゆっくりと時間をかけて深く息を吐くようにしましょう。そうすることで副交感神経が活性化してサウナ室でじっくりと体を温めることができます。
そして、休憩のときに訪れる「ととのいタイム(副交感神経優位でアドレナリンが体内に残っている状態)」の持続時間はわずか2分です。水風呂を出た瞬間からカウントダウンが始まっているため、迅速な行動が必須です。
初めて利用する施設では、あらかじめ水風呂から休憩スペースの最短ルートを確認しておきます。この動線がよい施設を選ぶのもよいでしょう。その場合、水風呂から休憩スペースまでの距離は10歩以内が理想的です。このサイクルを3セット行うことで深部体温を徐々に上げることができ、体に負担なく自律神経をととのえられます。
1.体をキレイに

サウナ室を清潔に保つために最初に全身の汚れ、皮脂を洗い落とすのはマナー。また、体を洗うことで汗腺が開き、汗をかきやすくなる。
2.サウナ室へ

室温が80~90度のフィンランド式(ドライとウェットのハイブリッド)がベスト。下段に座り、楽な姿勢で体を熱さに慣らす。
3.呼吸に集中

呼吸に集中しながら脳疲労をリセット。手首に指を当て心拍数を測り、軽い運動時と同等の心拍数になったら(5~8分が目安だが個人差あり)サウナ室を出る。
4.水風呂でクールダウン

約20度の水風呂に1分浸かる。この間、血流が体内を2~3周し、体表の薄い温水層が冷水を遮り温かく感じる「羽衣」現象が生じる。
5.休憩でリラックス

水風呂から上がったら手早くタオルで体を拭き、速やかに休憩スペースに移動する。リラックスできる体勢で5~10分程度休む。
2〜5を3セットくり返す

女性は温度の感受性が高いので、サウナハットを深くかぶり、顔はタオルで 覆うのがおすすめ。ホルモン(プロラクチン濃度上昇)への影響も防げる。
週1〜2回がおすすめ
日常への上手な取り入れ方
美容を意識した女性用サウナを自宅近くで探してみよう
サウナは疲労回復だけでなく、毛細血管の密度が上がって顔色や化粧のりがよくなる美肌効果も期待できる。ハーブを使ったスチームサウナ、塩サウナ、クレイパック、よもぎ蒸しなど美容を意識した施設も増えているので探してみたい。サウナ室を出る目安は心拍数でチェック
サウナ室に長く入りすぎると脱水などを起こし、危険。息が少し上がる程度の軽い運動をしたときの心拍数になったらサウナ室を出る目安。
加藤容崇先生監修
サウナ室における
心拍数の目安計算サイト
https://yasutakakato.github.io/sauna-calculator/
心拍数の測り方(1)手首(橈骨〔とうこつ〕動脈)に指を当てて脈を測る(姿勢を正し、腕と心臓が同じ高さになるように)
(2)15秒間数え、それを4倍にする

(次回に続く。)
家庭画報2025年12月号別冊付録より。