ストレスに強くなる 戦略的疲労リセット術 「寝れば疲れが取れる」という時代はもう過去のもの。年齢を重ねるにつれ、疲れの原因は複雑になり、寝るだけでは回復できなくなっています。だからこそ、いま必要なのが“攻めの休養”。自分から計画的に、積極的に休むことで、心身の活力をしっかり取り戻すことができます。
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休養は空き時間ではなく自分で設計するもの
日本人は長時間労働のイメージがありますが、実は統計上、就業から次の就業までの「勤務間インターバル」は欧米諸国に比べて決して短くありません。しかしその時間を休養に充てられているかといえば、実際にはそうではありません。本来はオフであるはずの時間を、メール対応などといった仕事の延長に費やし、オンオフの切り替えができていない人が多いのです。
だからこそ必要なのが、「オフを自分で設計する」という発想です。休養は偶然空いた時間で取るのではなく、予定として先に組み込むもの。手帳やカレンダーに「休養の時間」を書き入れ、着実に実践することを意識すると、休養の質は大きく変わります。
余白時間の守り方
すき間時間ができると、私たちはついすぐに“余白”を埋めようとしがちです。けれども休養にとって大切なのは、その“余白”をあえて守ること。予定をぎゅうぎゅうに詰め込まず、何もしない時間を確保することで、心と体に回復の余地が生まれます。
・余白時間を「予定」としてカレンダーに入れる
・隠れ残業をしない
・繁忙期の前に休暇をとる
・移動時間を休憩に変える
・家ではスマホを別室に置く実際の工夫は難しくありません。隠れ残業をせずにきっぱりと区切りをつける。移動や待ち時間を休憩に変える。繁忙期の前に思い切って休暇をとる。どれも小さなことですが、積み重ねることで「オフの時間」が確実に休養に変わります。
疲れをマスキングするNGアイテム

疲労を感じたときに甘いものやカフェインで紛らわせるのは、休養ではなく「ごまかし」です。一時的に気分は高まっても、体の回復は進まず、かえって疲労を深めることに。
注意したいのは、疲れをマスキングする習慣です。コーヒーや甘いもの、アルコールや栄養ドリンクで一時的に元気になったように感じても、根本的な回復にはなりません。
休養をアレンジするコツ

休養に「これが正解」という形はありません。自分に合っていて心地よいと思えることを選ぶのが一番です。強いていうなら、体の疲れには気分転換や親しい人との会話など心理的休養を、心の疲れには睡眠や栄養、軽い運動といった生理的休養を多めにとるのがおすすめ。社会的休養は複合的で、どちらとも組み合わせて作用すると考えるとよいでしょう。
そして最後に大切なのが、自分に合ったカスタマイズです。肉体的に疲れているときは心を休めることを優先し、精神的に疲れているときは体を休める時間を多めにとる。人間関係に疲れたときは、転換や一人の時間を意識的に組み入れる。他人の方法ではなく、自分の状態に合わせて休養の組み合わせを調整することが大切です。
休養のスタートは仕事終わりから
休養は週末や休暇だけにとるものではなく、仕事が終わった瞬間から始まります。就業から次の就業までの時間=勤務間インターバルをどう過ごすかで、翌日の疲れの残り方が大きく変わります。
9時〜18時定時の会社員の例退勤したら、仕事のことを考えるのをやめましょう。オンとオフを切り分ければ、夕食や入浴、大切な人との触れ合い、自分へのケア、趣味の時間など、平日でもたくさんの休養を取り入れることができます。
休養を自在に組み合わせて上級リラックス
休養は、一つの行為に見えても複数の要素が重なっています。組み合わせを意識することで、より深い回復をもたらします。
ベランダでハーブティーを飲む
部屋の模様替えをして花を飾る
ネイルをして友達と好きなアーティストのライブに行く
たとえばベランダでハーブティーを飲むなら、光を浴びる「転換」、お茶を飲むことでの「栄養」、好きな音楽を聴く「娯楽」、ゆったりと過ごす「休息」……と、一度にいくつもの休養が満たされます。自分が心地よく感じることを多面的にとらえ、どんどん追加することで、自分だけの快適で効果的な休養法が見つかります。
(次回に続く。)
家庭画報2025年12月号別冊付録より。