
前回から引き続き、石原先生に便秘を改善する方法について伺います。
「まずは食事の見直しを。腸内細菌のエサになる食物繊維の多い食品や、乳酸菌などの善玉菌を含む発酵食品を積極的に摂り、腸内環境を整えることが大事です。外食ではあれこれ選べないこともありますし、好きなものを食べたらいいと思いますが、家では和食の献立を心がけましょう。野菜や豆、きのこ、海藻などをバランスよく食べると腸が元気になります」
腸内で有毒なガスを出しやすい肉は、控えたほうが無難。ガスが溜まると腸に炎症が起こり、悪玉菌も増えやすくなります。
「お肉を食べるときは野菜もたくさん食べましょう。そうすることで腸への影響を少なくできます。焼肉をサンチュで巻いて食べるのは、理にかなっているんです」(石原先生)
外側からのアプローチも便秘に効果的です。
「以前にも腹巻きの話をしましたが、便秘にも腹巻きは有効です。温めることで腸の働きが活発になるので、入浴時以外は常に腹巻きをすることをおすすめします」(石原先生)
また、腸を刺激する簡単な動作によっても、便が出やすくなるといいます。
「うつ伏せになって両手足を伸ばして左右に転がると、お腹が押されて腸の動きがよくなり、便秘が改善されやすくなります」(石原先生)
食事や生活を見直しても便秘が解消しない、または腹痛やお腹の張りといった不快症状を今すぐなんとかしたいというときは、市販の薬を使用するのもよいと石原先生はいいます。
「まず、本当に“今すぐ出したい”というときは、市販の浣腸がおすすめです。便秘が続くと大腸で便の水分が再吸収されて、硬くなってしまうんですね。するとますます出にくくなる。出口で栓をしている便を浣腸でポンと出してあげると、意外に腸の動きがよくなることがあります」
一度の浣腸で排便リズムが取り戻せれば、あとは食事や生活習慣の見直しなどで便秘が改善できることも。毎日使わなければ体への負担も少なく、くせにもならないとのことで、「我慢して溜め込んでいるほうがよくないです」(石原先生)。
一方で、なかなか便通がよくならない場合、次の手段になるのが整腸剤です。
「整腸剤とは、腸内細菌のバランスが整うように作用する薬のこと。乳酸菌などの腸にいい菌が配合され、便秘だけでなく下痢やお腹の張りといった消化器症状に効きます。ただし即効性はなく、効果には個人差があります」(石原先生)
整腸剤では変化がない場合、次に試すのは便秘薬。少し前までは便秘薬というと、お腹が痛くなる、くせになるというイメージがありましたが、そうではない商品も増えているといいます。
「お腹が痛くなる便秘薬には腸への刺激が強い成分が含まれています。一方、便の水分量を増やして自然な排便を促す酸化マグネシウム配合の便秘薬は、腸に比較的優しい“非刺激性”です。適度な使用であればくせになりにくいとされているので、こうした薬を選ぶとよいでしょう」(石原先生)
それでもよくならない場合は、漢方の下剤を使う手もあります。
「漢方の下剤のメリットは、効果が比較的穏やかで、量の加減がしやすく、体を整える作用があること。『大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)』『麻子仁丸(ましにんがん)』といったものがドラッグストアでも販売されているので、頻繁にでなければ使ってみるのもよいでしょう」
薬の使い方をまとめると、便が長らく出なくてつらいなら、まずは浣腸を。次に整腸剤を飲んで、腸内のいい菌を増やします。整腸剤で効果が出ないときは酸化マグネシウム配合の便秘薬を試し、それでも改善しないなら漢方系の下剤を組み合わせて排便を促しましょう。
ただし、これらを行ってもつらい症状が改善しないときや、便秘と下痢を繰り返すような場合は、医師の診察を受けてください。
*次回は、頭痛についてお伝えします。
写真/PIXTA イラスト/二階堂ちはる