
前回、“現代人の多くが冷えている”ということがわかりました。冷え性は病気ではないものの、手足が凍えるほど冷たくなったり体調を崩しやすかったりと、日常生活に支障が出る場合も。冷えて血流が悪化することで体や足がむくむと、だるさや不快感につながります。
「冷えやむくみはさまざまな不調の原因になりますし、つらさはストレスになってメンタルにも影響します。手軽なセルフケアで改善できるので、ぜひ習慣にしてください」(石原新菜先生)
1.腹巻き
「まず、ぜひ試していただきたいのが腹巻き。大切な臓器が集まるお腹まわりを外側から温めることで、血流が促進して臓器が活発に働くようになります。女性は子宮や卵巣まで温まるので、女性ホルモンのバランスが整う効果も期待できます」と石原先生。
下着の上から着けると温め効果が半減してしまうため、地肌に直接着用します。そのためには、綿やシルクといった、肌にやさしい天然素材のものを選ぶとよいでしょう。
また、足が冷えて眠れない人はレッグウォーマーを。就寝時に靴下をはくと、寝入りばなはよくても次第に汗をかき、かえって冷えてしまう可能性があります。足首は温めつつ、足先からは放熱できるレッグウォーマーがおすすめです。
「私は季節を問わず、寝るときを含めて常に腹巻きを身に着けています。足元が寒く感じるときは、日中にレッグウォーマーを着用することも。そのおかげで冷えとは無縁です」(石原先生)
2.10分入浴
冷え対策に欠かせないのが入浴です。体が温まるのはもちろん、全身に水圧がかかることで血液やリンパの巡りも改善されます。
「よく、“長めの半身浴がいい”などといわれますが、冷え性の人は半身浴では体が冷えてしまうため、肩までしっかりお湯につかりましょう。また、長風呂は脱水につながり、血流も悪化します。ぬるめのお湯に10分程度が目安です」(石原先生)
日中に冷えが気になるときは、末端だけを温める「手浴」や「足浴」も有効。洗面器やバケツに熱めのお湯を張って手や足を入れると、全身がぽかぽかと温まります。こちらも目安は10分ほどで、ぬるくなったら途中で差し湯をしましょう。
3.ふくらはぎマッサージ
「ふくらはぎが硬い人は、老廃物が溜まって巡りが悪くなっています」と石原先生。
心臓から動脈を通って全身を巡った血液は、静脈を通って再び心臓に戻ります。血流が滞りがちな足の静脈を圧迫して、ポンプのように血液を送るのが、ふくらはぎの筋肉です。
しかし、ふくらはぎの筋力が弱かったり、座りっぱなしで足を動かさなかったりすると、血液やリンパ液の流れが悪くなり、むくみにつながります。パンパンにむくんだふくらはぎは、血流が悪化している証拠です。
「ふくらはぎを意識的にマッサージして、やわらかい状態を保つように心がけましょう。むくみがとれれば足が本来の細さになり、スラリと見えるうれしい効果もありますよ」(石原先生)
冷えやむくみは多くの女性が感じるため、「いつものこと」と軽く捉えがちです。しかし、なかには医療機関を受診したほうがよい症状もある、と石原先生はいいます。
「むくみがいつもよりひどかったり、急激にむくんだりしたときは注意が必要です。慢性的な心不全や腎不全の場合、全身がむくむことがあります。また、むくみ、冷え、どうにもならない疲れを感じる場合は甲状腺機能低下症の可能性もあるので、いずれの場合も医師の診察を受けてください」
*次回は、便秘についてお伝えします。
写真/PIXTA イラスト/二階堂ちはる