
冷えは女性特有の悩みと思われがちですが、男女問わず多くの現代人が冷えに悩んでいるといわれます。
「今から70年ほど前、東京大学医学部の田坂定孝教授が日本人3000人以上の体温を測定したことがあります。そのときの平均体温は36.9度でしたが、今の皆さんの平熱はいかがでしょう。この数字より低い方が多いのではないでしょうか」と、石原新菜先生。
連載第2回や第5回でもお伝えしているように、男性に比べて筋肉量が少ない女性は、冷えを感じやすい体質です。また、女性はホルモンバランスが崩れやすく、それによって自律神経も乱れて血流が悪化する傾向があります。さらに、更年期には女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量が急激に減少することで、より血の巡りが悪くなり冷えやすくなります。
一方、男性は女性より筋肉量が多く、ホルモンバランスの変動も少ないことから、冷えにくいといわれますが……。
「一般的にはそうですが、実は男性でも冷えやすい体質の人はいます。東洋医学の考えに沿ってご説明しますね」(石原先生)
東洋医学では、体質を陰性と陽性の2つに大別します。陰性は水を溜め込みやすく冷えやすいタイプ、陽性はエネルギーに満ちて体温が高いタイプです。
「ほとんどの女性は生まれつき陰性体質です。ですから、冷えたりむくんだりしやすいのは当然なんですね。反対に、ほとんどの男性は陽性体質ですが、ほっそりとした体つきで顔色が白っぽい男性は、陰性体質の可能性があります。その場合、女性と同じく冷えに悩まされることになります」(石原先生)
女性はもとより、男性でも冷えやすい体質の人は、意識して体温を上げていくことが大切です。体温を上げるためには血流促進が欠かせません。
「体温が1℃上がると基礎代謝は12~13%上がり、免疫力もアップするといわれています。冷えとむくみの緩和はもちろん、さまざまな健康効果を得られるので、入浴やストレッチなどで日頃から血流改善を心がけてください」(石原先生)
*次回は、冷えとむくみを改善するセルフケアについてお伝えします。
写真/PIXTA