知っておきたい女性のからだと健康 第10回(前編)私たちは薬や薬局とは切り離せない生活をしています。一方で、薬の保管方法や薬剤師の役割など薬にまつわる知識を得る機会はあまりありません。今回は、東京・文京区で虎薬局を経営する新井田純坪(にいだじゅんぺい)先生に、薬や薬局との上手なおつきあいについて教えていただきました。
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薬と薬局とのつきあい方
[お話を伺った方]
虎薬局 薬剤師
新井田純坪先生
にいだ・じゅんぺい 1974年生まれ。高校地理歴史科の教員を目指し、一橋大学社会学部を卒業。筑波大学大学院教育研究科修士課程修了。2006年に帝京大学薬学部を卒業し、望星薬局を経て実家の虎薬局に入局。15年から帝京大学薬学部非常勤講師、18年から帝京大学特任助教。現在、昭和薬科大学非常勤講師も務める。
思春期の薬の使用は周囲の大人の見守りが重要
子どもの頃には保護者や医療関係者のもとで薬を使いますが、思春期頃からは自分で市販薬を選んで使う機会が出てきます。10代の女性では月経痛などで用いる市販の鎮痛薬をきっかけに「薬に関する情報交換や持っている鎮痛薬を友人にあげるなどで薬がコミュニケーションツールになり始めます」と新井田先生。
薬の使用に慣れてくると「つらいときには薬が役立つことを知ると同時に体調が悪くなったときには薬を飲めさえすればいいと薬だけに頼る思考になったり、病気の発見が遅れたりすることがあります。また、問題を抱えたときにオーバードーズ(一般用医薬品の乱用)に陥る場合もあります。周囲の大人や友人が薬の使い方に気を配ってあげてほしい世代です」。
20代以降は仕事や結婚などの忙しさや心配事で体調変化に気づかないことがよくあります。「子どもの病気などで薬局との接点が増える時期ですが、その際にご自身の体調についてもぜひ薬剤師に相談してください」。
更年期前後から高齢期には、体調がすぐれないものの検査をしても病気が見つからない不定愁訴が増えてきます。
「漢方薬を含めた市販薬の選択や使い方を薬剤師に聞いていただくと何かヒントを得られるかもしれません」。また、1日に多くの薬を飲むことが必要な患者さんは薬の飲み合わせのチェックや不要な薬を減らすのに薬剤師が頼りになります。「2つの薬が1つになった合剤の使用の提案や薬をまとめる一包化などの工夫もできます。飲みにくい、飲み忘れるといった悩みは我々薬剤師に相談してください」。
薬のわかりやすい説明や英語表記が見られるサイト
製薬企業などが集まり、医薬品の本質の理解促進と医薬品の正しい用い方の啓発活動を行う、くすりの適正使用協議会のサイトには、薬に関する情報がたくさん掲載されています。
“くすり知恵袋”には、“子どもにくすりをのませるコツ”“妊娠・授乳とくすり”など役立つ情報や、子どもの薬のオーバードーズ(一般用医薬品の乱用)に関するページもあります。
・くすりの適正使用協議会 くすり知恵袋“くすりのしおり”では、処方薬の製品名を入力すると平易な文章で用法・用量や副作用、生活上の注意などの説明が出てきます。「英語版」の説明書もあり、海外旅行に行く際に持参する薬の説明を印刷して携帯すると安心です。「このサイトは調剤薬局のレセプトコンピューターとも連動しており、薬局で依頼すればプリントしてもらうことも可能です」(新井田先生)。
・くすりの適正使用協議会 くすりのしおり 薬局など医療機関の情報を得られる厚生労働省のサイト
全国の薬局、病院、診療所、歯科診療所、助産所がデータベース化されており、都道府県、最寄り駅のほか、現在時刻で開いているかどうか、時間外対応の可否、外国語対応(英語、中国語、韓国語など)の有無、聴覚障害者や視覚障害者に対するサービス内容、車椅子の利用者に対する配慮などの条件で絞り込んで検索できます。薬局のページを開くと、受け付けている服薬等に関する相談の内容、薬剤師の数、認定薬剤師の数なども見られます。
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