
目は体のなかでも老いが早く始まる部位といわれ、目の健康寿命は平均寿命より20年以上も短いという調査結果もあります。
ジョンソン・エンド・ジョンソンによる「目の健康寿命」調査
「この連載では血流の大切さをお伝えしていますが、目の疲れの主な原因も血流の悪化です」と、医師の石原新菜先生。
「スマホの小さな画面をずっと見ていると、目の周囲の筋肉がこり固まって血流が悪くなります。すると、目に酸素や栄養が行きわたらなくなり、老廃物もたまりやすくなって疲れ目になると同時に、首や肩の筋肉のこわばりにもつながります」
疲れ目の症状としてよく挙げられるのが、「目がかすんでピントが合わない」というもの。
近くにあるスマホやパソコンの画面を見たり、遠くの掲示板を見たりと、目の焦点を変える際は、眼球内にある「毛様体筋(もうようたいきん)」という筋肉がピント調節をしています。
■目のピント調節
毛様体筋は近くを見る時には収縮し、遠くを見る時には緩みますが、スマホ画面のように近くを見続けていると収縮しっぱなしになり、こり固まって血流が悪化。その結果、「かすみ目でピントが合わない」という状態に陥ります。ピントを無理やり合わせようとすると肩や首の筋肉が緊張して、こりにつながるケースもあるといいます。
「老眼の人はピントが合いづらいので、目の疲れを感じやすくなります。特に、近視の人が老眼になりつつある過渡期が一番つらいでしょう。老眼が進んで見え方が安定してくれば多少は楽になるので、それまでの期間は、いつも以上に意識的に目を休ませるようにしてください」(石原先生)
かすみ目とあわせて多い悩みが、目の乾燥。目がしょぼしょぼしたりゴロゴロしたりするときは、目が乾いている状態です。
「涙の分泌量は加齢とともに減っていきますが、近くをじっと見て作業していると、まばたきの回数が減り、余計に分泌量が低下してしまいます。すると目の表面が乾燥して、違和感や痛みを覚えます」(石原先生)
スマホやパソコンに限らず、読書や編み物など手元を見て集中する作業では、まばたきの回数が減りがちなので注意が必要です。
「涙の量が減るとピント調節機能も衰え、ますます目が疲れます。何をするにしても根を詰めず、1時間に1回は休憩して目を休めること。疲れ目回復に即効性がある、目まわりのマッサージもおすすめです」
※目や皮膚を傷つけないようご注意ください。
このマッサージでは目の血行が促進されるほか、目まわりのツボも刺激することができ、疲れ目の改善に効果的。マッサージ後は、視界が明るく開けたように感じられるはずです。
*次回は、目の疲れを改善する食べ物についてお伝えします。
イラスト/二階堂ちはる、PIXTA