〔特集〕腸内細菌「酪酸菌(らくさんきん)」を育てて健康ライフ 食べる免疫力 腸には全身の免疫機能の約7割が備わっています。免疫機能が活性化するのは、各種の有用な腸内細菌の連携プレーがあってこそです。その中でも要注目なのが、有用菌の一つである「酪酸菌」。腸内で酪酸を産生して免疫力の高い体作りに関与しています。酪酸菌を増やし育てる食生活を心がけることで、健康長寿を目指しましょう。
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病気を寄せつけない「酪酸菌」健康習慣
「10分トイレタイム」と運動を習慣づける
便が腸内に停滞すると、便とともに排出されるはずの有害物質が腸管から体内に吸収され、肝臓で代謝されると、各組織の老化が促進されます。肌荒れなどのトラブルもその表れの一つです。特に高齢者は食欲不振になり、免疫力の低下で健康への悪影響が懸念されます。
酪酸菌は、消化吸収を促進し、腸のぜん動運動を促してスムーズな排便をもたらします。酪酸菌が減ると腸内環境が乱れ、便秘のリスクを高めます。発酵性食物繊維が多い食事を心がけ、毎朝、同じ時刻に食事をし、10分のトイレタイムを確保することで、便秘にならないような習慣を身につけましょう。
また、運動の習慣化も、酪酸菌をはじめ、各種有用菌が活性化することがわかっています。日常の運動では、毎日30分くらい早足でウォーキングをすることをおすすめします。筋トレを組み合わせるとさらによいでしょう。
発酵性食物繊維たっぷりの食事を基本に、酪酸菌を減らさない生活習慣を心がけ、免疫力の高い体を目指しましょう。
免疫力の高い体に整える
「酪酸菌」を減らさない5つの健康習慣

腸内環境を整えるには、発酵性食物繊維たっぷりの食事を基本に運動や規則正しい生活習慣を組み合わせるとさらに効果的。酪酸菌が活性化する生活習慣を心がけて、免疫力の高い体を維持しましょう。
(1)運動
毎日30分の早足ウォーキングで酪酸菌が増加
運動を継続することで酪酸菌が増加し、腸内環境が整うことがわかっています。運動レベルに応じて、週に2~3回、30~60分の早足ウォーキングやランニング、筋トレなどを習慣化しましょう。運動をやめたり、座りっぱなしの生活をしたりしている人は有用菌が少ないという報告もあります。
(2)生活リズム
いつ食べるかで体調が変わります
体には食べる時間を起点として活動期と休息期の身体リズムを決定する機能があります。朝食を定時にとることは、自律神経の働きを整え、朝10分のトイレタイムは一日の身体リズムを整え、活動意欲を促します。朝食抜きや夜食など不規則な食生活は、酪酸菌の減少を招きます。
(3)偏食しない
多様な食材で腸内環境を整える
いつも同じ食事をしていると、腸内細菌の多様性が保たれません。また、加工食品や人工甘味料に含まれる食品添加物は、腸内細菌のバランスを乱し、酪酸菌を減らす可能性も。腸内環境を良好に保つため、多種多様な食材をバランスよくとりましょう。
(4)薬
抗生物質や胃酸分泌抑制薬には注意を
ウイルスで引き起こされる風邪では、抗生物質の治療が必要な場合もありますが、腸内の有用菌が死滅し、腸内環境を乱す要因となります。各種の薬の服用は必ず医師に指示された服用期間、服用量を守り、病後は発酵性食物繊維をとり、腸内環境を整えましょう。
(5)睡眠
慢性的な睡眠不足は、肥満などの代謝異常に
睡眠時間が6時間未満の人は、腸内環境が乱れ、メタボリックシンドロームや2型糖尿病のリスクが上昇するという報告が。睡眠不足が2日間続くだけで食欲を抑えるホルモンの分泌が減り、逆に食欲を高めるホルモンの分泌が増えます。十分な睡眠時間を確保することが大切です。
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